原子力安全委員会の班目春樹委員長 原子力安全委員会の班目春樹委員長は、2011年5月19日に行われた臨時会議後の会見で、メルトダウンした福島第1原発の原子炉の廃炉までの期間について「容易にいかないのは明らかだ。スリーマイル(島の原発事故)より厳しい面もあるだろう」と述べ、廃炉まで少なくとも10年以上はかかるとの見通しを示した。アメリカスリーマイル島原発事故では、核燃料の取り出しまで11年かかったとされる。

 斑目委員長ニコニコ動画の記者(七尾功)とのやりとりは、以下のとおり。

七尾記者: 福島第1原発でメルトダウンを起こした原子炉の廃炉処理には、どれくらいの時間がかかるか。

斑目委員長: 「廃炉」というのがどういう状態かという定義によると思う。かつての日本での定義だと「そこからすべての放射性物質を持ち出す」というところまでだが、それがそう容易にいかないのは明らかだ。廃炉がいつ達成できるか、といったならば「今の段階ではなんともいえない」という答えになってしまうと思う。

七尾記者: スリーマイルの例でいうと10年単位ということになるが。

斑目委員長: ひとつの参考値にはなると思うが、ある意味ではスリーマイルよりも厳しい面もあるだろう。

七尾記者: 被災者がいつのタイミングで(家に)帰ることができるのかという問題について。放射能漏れによる人体への影響を考えると、廃炉までいかないと帰れないのか、どのプロセスで住民の方々は自宅に戻れるのか。

斑目委員長: 廃炉の状態になってしまえば、そこにそもそも原因物質がないので、これは問題なくなる。ある意味では、そこからまた大量の放射性物質が放出する危険性というのが一定のレベル以下になってしまえば、当然そのすぐそばで生活できる。まして、そこからある程度以上の距離があるならば、より早く生活を再開することも可能となる。そういう意味では、必ずしも「廃炉」でなければ生活が再開できないというのは全然ないわけで、むしろ(廃炉とは)切り離して考えていただいたほうがよろしいのではないかと思う。

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七尾功

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原子力安全委員会の班目春樹委員長