多くの人が利用する公共の場では、思いやり精神が大切です。

ほとんどの電車には優先席が設置されており、妊娠中の人や高齢者、障がいを持つ人などが優先的に利用するルールになっていますよね。

また、優先席以外の座席もできる限りそういった人たちに譲るよう、鉄道会社は協力を呼びかけています。

女性が妊婦に電車の席を譲ろうとしたら…

ある日、電車に乗っていた境野 今日子(@kyokosakaino)さん。境野さんは妊娠中のため、マタニティマークをバッグに付けていました。

きっと境野さんのマタニティマークを目にしたのでしょう。1人の女性が席を譲ろうと、境野さんに声をかけてきたといいます。

すると次の瞬間、50代と見られる男性が2人の間に割り込み、席を横取り。男性は2人に向かって、こういいました。

「なんか文句あんのかよ」

※写真はイメージ

この言葉から察するに、境野さんと女性に『文句』があることを男性は分かっているはず。2人を弱者とみなし、抵抗してこないのを理解した上で攻撃的な態度をとったのでしょう。

現にお腹に赤ちゃんがいる以上、へたな抵抗は危険です。男性にいい返すことはできず、席を譲ろうとした女性は境野さんにひと言「すみません」と謝っていたそうです。

男性の嫌がらせ行為に、深く傷付いた境野さん。そして、優しい女性が謝罪をしたことが心苦しかったといいます。

善人が損をして、悪人が得をする悲しいエピソード…正しい心を持っている人は、こんな社会で暮らしたいと思わないでしょう。

投稿はおよそ3万回拡散され、多くの人から怒りや悲しみの声が寄せられています。悲しいことに、中には似たような経験をした人もいるようです。

男子高生に「妊婦は場所をとるから電車に乗らないでほしい」といわれたことがあります。

・まわりの人は見て見ぬふり?反論したり、代わりに席を譲ったりする人がいないのが悲しい。

・こういうタイプは男性相手だったらやらないでしょうね。自分より力が弱い人を選んでるんだと思う。

・「妊婦相手だから」以前に、人として割り込み行為はありえないと思う。

境野さんによると、共感の声が寄せられる一方「ブスに譲る席なんてねえよ」や「ウソをつくな」など中傷のメッセージも多く寄せられているのだとか。

そういった中傷も、席を横取りした男性と「相手は抵抗してこないはず」「弱者をいじめたい」という本質は同じなのではないでしょうか。

今回のような悲しい出来事を減らすには、周囲の人が声を上げることが大切です。誰かのために声を上げることは、社会全体の環境改善にもつながるでしょう。

優しい心を持つ人が増え、より多くの人が過ごしやすい社会になるよう祈るばかりです。


[文・構成/grape編集部]

出典
@kyokosakaino
※写真はイメージ