2007年2月19日青森県つがる市に住む当時55歳の男性Aさんが何者かに殺害される事件が発生した。Aさんは地元市議会議員を務める傍ら、金融業役員や幼稚園理事長も兼任しており、地域では名の知れた人物だったそうだ。事件後にはAさんが理事長を務めた幼稚園で補助金の不正受給問題が浮上したが、事件との関連は確認されていない。

 遺体はつがる市にあるAさんの自宅で発見された。Aさんは一人暮らしをしていた。第一発見者はAさんが役員を務める金融業者の社員だったという。お昼を過ぎても出社しないAさんを心配した同僚が、知人夫婦とAさんの親類に連絡を取って自宅まで確認しに行ったそうだ。自宅内を同僚らが手分けして調べたところ、寝室で血を流して倒れているAさんが発見された。

 警察の捜査により、Aさんの死因は首を絞められたことによる窒息死であることが判明。さらに、頭や顔には鈍器で殴られたような傷が残されており、両腕には抵抗した時についた傷もあったという。死亡時刻は18日深夜から19日未明と推測された。
 前日の18日、Aさんは知人や地元市議10人を自宅に招いて宴会をしていたという。午後1時から始まった宴は午後6時頃まで続いた。参加者らは帰宅し、家にはAさんが一人残ったそうだ。Aさんの姿が最後に確認されたのは18日の午後9時頃。居間にいるAさんを、食事の片づけに訪れた知人女性が確認していた。

 遺体発見現場は書類が散乱しており、物色された様子が窺えたが、現金類は手つかずの状態だったという。Aさんに恨みを持つ人物による犯行だったのだろうか?

 Aさんは1987年から村議を5期務めたのちに、2005年の町村合併で市議となっていた。地元住民からは人気が高かったようで、当時の報道では多くの支援者たちが悲しんでいたという。一方で、役員を務める金融業では取り立てが厳しいという噂も流れていた。さらに、事件後にはAさんが理事長を務めた幼稚園で補助金の不正受給問題が判明。この幼稚園自体もAさんが借金の形に譲り受けたという噂があるようだ。

 平日は役員を務める金融会社内で生活し、週末になると自宅へ帰宅していたというAさん。3つの職業を兼任していた事からも、比較的裕福だったことが窺えるが、犯人は金目のものに一切手を付けていない。一体、犯人の狙いは何だったのだろうか。複数の肩書を持つAさんだけに、警察による容疑者の絞り込みは困難を極めているそうだ。

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