セリエA第21節、ローマとラツィオによる“デルビー・デッラ・カピターレ”が日本時間26日26:00にスタディオ・オリンピコでキックオフされる。熾烈なトップ4争いに身を置く4位のローマ(勝ち点38)と、クラブ新記録の11連勝でユベントスとインテルの2強を追う3位のラツィオ(勝ち点45)による、今季2度目の首都決戦だ。
2020年に入ってトリノ勢相手に今季初の連敗を喫するも、前節のジェノア戦では相手のミスにつけ込む試合巧者の戦いぶりで3-1の快勝を収め新年初白星を手にしたローマ。直近のコッパ・イタリアではエースFWジェコ不在が響きユベントス相手に敗戦も、相変わらず負傷者に悩まされている中でまずまずのパフォーマンスと結果を維持している。とはいえ、結果至上主義のロマニスタを満足させるためにはトップ4フィニッシュと共に宿敵相手の勝利が必須。とりわけ、その勝利が相手の連勝ストップとなれば、ホームサポーターの溜飲が下がるはずだ。
一方、昨年10月末のフィオレンティーナ戦以降、ユベントスやナポリ、ミランを退けクラブ記録のリーグ11連勝と現在のセリエAにおいて最も勢いのあるラツィオ。ただ、直近のコッパ・イタリアでナポリ相手に国内のコンペティションで16戦ぶりの黒星を喫し、連覇のチャンスを逃した点はやや気掛かりな部分だ。仮に、今回のデルビーでリーグ戦の連勝までストップとなれば、チームのムードが一気に悪化する可能性もある。逆に、ここで宿敵を叩ければ、逆転でのスクデット獲得へ強烈な追い風となるはずだ。
なお、昨年9月に行われた前回対戦は1-1のドローに終わっている。両チームのシュートが再三枠に阻まれるなど、オープンな打ち合いとなった試合はホーム扱いのラツィオが優勢に試合を進めたものの、DFコラロフのPKとルイス・アルベルトのゴールによって白熱のドローとなった。
【4-2-3-1】
▽ローマ予想スタメン
GK:パウ・ロペス
DF:フロレンツィ、マンチーニ、スモーリング、コラロフ
MF:クリスタンテ、ヴェレトゥ
MF:ジェンギズ・ウンデル、ペッレグリーニ、クライファート
FW:ジェコ
負傷者:DFザッパコスタ、MFザニオーロ、ムヒタリアン、ディアワラ、FWアントヌッチ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはムヒタリアン、ザニオーロに続き直近のユベントス戦で左ヒザのケガを再発させたディアワラが欠場となる。その一方で、パストーレとペロッティのアルゼンチン人コンビが負傷明けでベンチに戻ってくる予定だ。
システムに関しては相手の強力2トップへの対応策としてコラロフ(チェティン)やクリスタンテを3バックの一角で起用する形も考えられるが、[4-2-3-1]の継続が濃厚だ。スタメンに関してカピターノのフロレンツィに代わってより守備で貢献可能なスピナッツォーラの起用の可能性もある。
【3-5-2】
▽ラツィオ予想スタメン
GK:ストラコシャ
DF:ルイス・フェリペ、アチェルビ、ラドゥ
MF:ラッツァーリ、ミリンコビッチ=サビッチ、ルーカス・レイバ、ルイス・アルベルト、ルリッチ
FW:コレア、インモービレ
負傷者:
出場停止者:DFルカク、MFマルシッチ、カタルディ
出場停止者はいない。負傷者に関しても主力に目立った離脱者はいない。
スタメンに関してはコレアに代えてカイセドを起用するプランも想定されるが、前述のベストメンバーが起用されるはずだ。
★注目選手
◆ローマ:DFクリス・スモーリング
ローマの注目プレーヤーは強力アタッカー陣と対峙するスモーリングだ。マンチェスター・ユナイテッドでの低調な数年間を経て、昨夏ローマに加入した元イングランド代表DF。当初、チームメートやロマニスタからの期待値は低かったものの、チームが志向するアグレッシブな守備スタイルの中で圧倒的な空中戦の強さ、前に出て潰す攻撃的な守備という特長が完璧に嵌まって、今や頼れるディフェンスリーダーに君臨している。
自身初のデルビーに向けては直近のセリエA5試合連続で失点している守備の改善が急務だ。とりわけ、得点ランキングトップを独走する相手のエースFWインモービレ、突破力と裏への飛び出しの意識が高いコレアの強力2トップに対する徹底監視が求められる。空中戦、球際の部分では優位性が見込まれるが、嫌らしい動き出し、優れたアジリティで揺さぶりをかけてくる相手得意の地上戦、スペースケアの部分では相棒マンチーニと共にいつも以上の集中と繊細な対応が必要だ。さらに、ここ最近やや不発気味の攻撃時のセットプレーにも大いに期待したい。
◆ラツィオ:MFルイス・アルベルト
ラツィオの注目プレーヤーはアシストキングのアルベルトだ。ラツィオ加入後、数シーズンは2トップの一角やシャドーでのプレーが多かったものの、昨シーズンあたりからインサイドハーフでのプレーが増えると、持ち味のゲームメーク能力と高精度のラストパスを遺憾なく発揮。毎試合のように機動力と動き出しのセンスに長けた2トップへ再三の決定機を供給。今シーズンここまでも18試合で3ゴール12アシストと圧巻のスタッツを残している。
前回対戦で貴重な同点ゴールを記録したデルビーに向けては背後のスペースケアに難がある相手の最終ラインに対して、スペイン代表MFのミドルレンジのスルーパスが攻撃のカギを握る。相手のハイプレス回避、守備から攻撃への切り替えのシチュエーションでうまく浮いてボールを引き出し、相手のラインが整っていないタイミングで得意のスルーパスを2トップに供給したい。
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