担任教師(中村獅童)の手で、突然“自殺催眠”を掛けられた36人の生徒たち。死の暗示を解く方法はクラスメートの死のみ。催眠発動のシグナルを探りながら、壮絶なデスゲームに巻き込まれ本性を晒していく彼らの運命は?

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橋本環奈が主演を務める映画「シグナル100」(公開中)で、「男なら誰でも好きだと思う」という刺激的な設定の中に役者として飛び込んだ中尾暢樹を直撃。

「その分、日常は平和に」がモットーの年男に、瀬戸利樹ら“東映特撮出身チーム”を含めた同世代の俳優たちとの撮影秘話や、最近“夢中”になっていることを聞いた。

サッカー部の連携は同世代の俳優ならでは

――「シグナル100」の世界観に最初に触れたときのご感想を教えてください。

もともと原作の漫画を知っていて、すごく印象に残っていたので、「あの壮絶なシーンを、どうやって映画にするんだろう」と思いました。「どうやって演じようかな?」と考えながら作品に挑戦していました。

――やりたかった役は?

原作と少し違うキャラクターになっている和田(瀬戸)は「絶対おいしいな!?」と。僕は利樹のことも知っているので、どう演じるのか楽しみだったんですが、実際すごく良かったです。

――実際入ってみて、現場はどんな感じでしたか?

もう、すごいわちゃわちゃです。利樹も最初は、役柄上「俺はみんなと距離を置く」って言っていたんですけど…2秒で終わってましたね(笑)。

――瀬戸さんも「サッカー部のメンバーがいたから無理だった(笑)」とおっしゃってました。物語の鍵を握るサッカー部のチームワークも見どころですね。

そうですね。僕らサッカー部の4人(小関裕太、甲斐翔真、中尾、福山翔大)は、映画の中でみんなキャラクターが立っていて、例えば玄(福山)だったらムードメーカーでよくしゃべって感情で動く起爆剤。

西園寺(甲斐)は部長だからリーダーシップを持っている。蒼汰(小関)は明るいモテ男で、僕の演じる昴は優しい。

でも僕ら以外にも大勢キャストがいるから、その中で僕らの役回りをセリフやしぐさの一つ一つで表現したいなって協力し合った感じです。

翔大がバーっと何かしたら翔真がツッコミを入れて、僕は優しくにこやかにしていて、小関くんがいい感じでまとめて盛り上げる。サッカー部の連携がすごいんですよ(笑)。

リハーサルもたくさんあって、クランクイン前からみんなでいることが多かったので、コミュニケーションをすごく取れた状態で撮影に入れたのが大きかった。何をしたいかもすぐに分かるし、「あ、こういうノリね? じゃあみんなで!」ってお芝居ができた。アドリブも多かったです。

――撮影が進むにつれて、新たな一面を発見するようなことも?

もともと知ってたのは利樹、翔真の戦隊&ライダー組(中尾は2016年の「動物戦隊ジュウオウジャー」、瀬戸・甲斐は2016年放送開始の「仮面ライダーエグゼイド」に出演)で、翔真とは「覚悟はいいかそこの女子。」のドラマ版(2018年)でちょっと共演しましたけど、それ以来だったんですよ。

今回はヒーロー作品とは全く違うダークな世界観ですし、みんなやっぱりそれぞれ仕事として、役者として、やりやすい環境にはしたいと思いながら過ごしたので、今まで以上に仲良くなれて、いろいろなことが試せたなと思います。

■ 行動の原理は“楽しい”か“つまらない”か

――中尾さんご自身は、部活などの集団生活や友人関係ではどういうポジションになることが多いですか?

うーん、人によるかもしれないです…。周りがボケるんだったらツッコむし、逆に僕がボケることもあるし、何でも合わせてできるというか、本当に相手によります。

――オールマイティーですね! 学生時代からそうでしたか?

学生時代は、どちらかというと「~しようぜ!」ってリーダーシップを取るタイプでしたね。「今何してるの?」「今日どっか行こうよ」って誘うのも自分から。帰宅部で暇だったので、断られても誘いまくってました(笑)。

――それが「相手に合わせて何でも」というふうに変わったのはいつ頃?

自然と…なのかなぁ。基本的に“楽しいこと”が好きだから、自分から話し掛けるし、空気を読むし…という(笑)。何もしないと、時間をもったいなく感じちゃうんですよ。だからベースは変わっていないのかもしれないですね。

――ということは、今も休日の予定を埋めたがるタイプですか?

それも日によりますね(笑)。家でゆっくりするのは、僕にとって大事な時間だから、遊びたいときは遊ぶけど、ゆっくりするときもあります。

――そんな中尾さんご自身がこの「シグナル100」のように、急に「最後の1人にならないと生き残れない」ような状況に置かれたら?

うーん、マジで頑張って生き残ろうとして、多分悪いことも考えちゃうと思います、絶対に。…けど、結局、死んじゃうタイプかもしれません(笑)。うっかりミスで、「あ。…あ、あぁ! 自分のバカ!!」って言いながら(笑)。

――撮影中、「この作品ならではだなぁ」と思うことはありましたか?

誰かが死ぬシーンは、それを演じる役者にとって一番大事なシーンでもあるので、その日は朝からやっぱり変わるんですよね、その人が。熱を感じるというか、いつも以上に気合が入ってるように感じました。それがすごく独特で、楽しかったですね。

――どちらかというと俯瞰で広く周りを見られるタイプなんですね。

そうかもしれません(笑)。やっぱり“いなくなる”人がいると単純に寂しいから、いろいろ把握するようにはしていて。だって、そのままクランプアップになって帰っちゃいますからね。今回は撮影もホテルと現場の行き来だったので、「今日は○○くんのクランプアップだから行こう!」って撮影のない人もみんな駆け付けて。そういう空気感も独特でしたね。

■ 夢中になれるエンタメに、新しい役柄で挑む2020に!

――中尾さんが「頑張るぞ!」と思ったときについ出してしまうシグナルは?

普段はよく話すタイプなんですが、本気を出したり、「ここ大事だな」と思ったときは、しゃべらなくなっちゃうかもしれません。自分に“入っちゃう”というか。

――年男となる、2020年の抱負をお願いします。

こうやって同世代の役者さんたちと一緒にいると特に思うんですけど、ライバルも多い世界で、23歳という時期は学生服も着られるし、上の世代の職業ものにもすごく挑戦したいなと思う時期なので、今を本当に大事にしたいなと思っています。

新しくやる役もどんどん増えてきているし、今までやったことがなかった、やれなかったような役にも挑戦したいですね。

――中尾さんの生まれ年、そして2020年の“ねずみ年”にちなんで、“熱チュウ”していること、“夢チュウ”になっていることを教えてください。

舞台や映画をたくさん見てるかな。昨年末くらいにNetflixやAmazonPrime Videoなどの動画配信サービスをようやく知ったんですが、いまかなりハマっています。それがもう楽しくて楽しくて!! これすごいなぁって…。今、夢中になっています。

――その中でもハマっているのは?

配信でしか見られない海外ドラマを見るようになって、それこそ少し前にはやった「HEROES」とか、今まで使っていたレンタルビデオ屋さんだとこんな量を(両手を肩幅ほどに広げて)ガバッと借りてこなくちゃいけないじゃないですか。

しかもそれを見ないで返すこともあったのに、そういうのがないから、すごいなって。

――しかも続きがすぐに表示されて睡眠時間が…。

そうなんですよ、やめられない! これヤバいなって(笑)。しかも1時間が一瞬なんですよね。1話1時間とは思えない! 3話見たら「もう深夜3時か!」「あと1話…でもあと1話見たら4時だなぁ」って思って「やめよやめよやめよ…」ってベッドに入る(笑)。

僕自身がそうやって入り込んじゃうタイプだから、僕もそのくらい夢中になれるエンタメを提供したいなって。今回の「シグナル100」も、遊園地のアトラクションのような感じで見ていただけたらうれしいなって思います。(ザテレビジョン・取材・文=坂戸希和美)

中尾暢樹がインタビューに応じた