Atariは、ホテル事業に進出しビデオゲームを豊富に取り揃えたAtari Hotels」を展開していくと発表した。あわせて公式サイト公式Twitterアカウントをオープンしている。ホテルの第一号はアリゾナ州フェニックスで開業予定だ。

 ビデオゲーム市場を切り開いたAtariが、「あらゆる年齢のゲーマーに究極の没入型エンターテイメントを提供する」として、ビデオゲームをテーマにしたホテル事業に進出するという。家庭用ゲーム、VR/ARゲーム、アーケードバーが内包され、一部のホテルには、eスポーツのためのスタジオ、会場が設置され、eスポーツのためのイベントを開催、集客することができる。

 ホテルは、Atariブランドを推し出した「Atari Hotels」と題され、まずは2020年にアリゾナ州フェニックスで起工予定だ。続いて、ラスベガス、デンバー、シカゴ、オースティン、シアトルサンフランシスコ、サンノゼでも展開していく予定だという。

 この事業は、金融、教育、エンターテイメントなど広く扱う戦略グループ会社GSD Groupとパートナーシップを締結し、共同で展開していくという。アリゾナ州フェニックスのホテルについては、不動産開発会社True North Studioが手掛ける。

(画像は「ATARI ANNOUNCES WORLD-CLASS VIDEO GAME-THEMED ATARI HOTELS First Atari Hotel to Begin Construction in Phoenix in Mid-2020 – Atari Hotels」より)

 『ポン』ブレイクアウト』でアーケードビデオゲーム市場を切り開き、Atari 2600家庭用ゲーム機市場を開拓したAtariは、米国にとって非常に馴染みがある存在だ。昨今では、スティーブン・スピルバーグ監督の映画レディ・プレイヤー1でも主要な存在として取り上げられたことは記憶に新しい。「Atari Hotels」では、「クラシックモダンな雰囲気」を出すために、こういったAtariブランドを活用するという。

 ビデオゲームとホテルの関係なら、今月、任天堂の旧本社ビルを増築して2021年に開業予定と報道されている。ただしこちらは築90年の景観を活かした、赴きある古風な外観と内装を活かしたホテルを推し出しており、今回のようなビデオゲームのコンセプトがあるわけではない。はたして、前代未聞のビデオゲームをテーマにした斬新なコンセプトな「Atari Hotels」は成立するのか、これから要注目といえそうだ。

ライター/福山幸司

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman