Credit: Matthieu Berroneau
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  • 半透明の肌を持つ「グラスフロッグ」が、ボリビアで18年ぶりに発見される
  • 下腹あたりはほぼ透明で、内臓や心臓の様子が詳しく観察できる

半透明の肌を持つカエルが、ボリビアで18年ぶりに再発見されました。

ボリビア・コクランガエル(Bolivian Cochran frogs)」は、透き通る見た目から通称「グラスフロッグ」と呼ばれています。

主な生息地は南米のアンデス山脈ですが、ここ20年近くは一度も発見されていなかったようです。

体内がクッキリ見える!

Credit: WEBGUZS

発見は、今月8日。ボリビアの都市コチャバンバ東部に位置する「カラスコ国立公園」で保護されました。

全部で3匹のグラスフロッグが見つかっており、重さは70〜80g、体長は1.9〜2.4cmほどです。

現在、同地では水力発電の敷設計画が進んでおり、それに伴って生物たちの生息地も消滅の危機にあります。今回の発見は、そうした爬虫類両生類を保護する活動の一環の中で行われました。

Credit: MARIA OGRZEWALSKA

体表の大部分は半透明ですが、下腹のあたりはほぼ完全に透明で、内臓や心臓の鼓動する様子もクッキリと見えます。

解剖しなくても、グラスフロッグの心臓は白く、骨や声帯嚢は深い緑色をしていることが分かります

なぜ透明な体になるのか?

Credit:参天製薬

透明な体になるために必要な条件は、体に入ってくる光を散乱させず透過させるだけでなく、周囲の空気や水と近い屈折率を保たねばなりません

そのような透明な組織は、実は人間にも存在します。人間の目に存在するレンズです。

レンズが透明なのは、繊維状のタンパク質が整然と配置され、水晶のように巨大な構造をつくれるからです。

このタンパク質は透明化に必要な、「可視光を散乱させることなく空気や水と近い屈折率を保つ」という条件を満たすことができます。

また、赤血球のような「色素を持つ細胞」の分布が薄いことも重要になります。

人間のように赤血球の濃度が濃いと、色素の色が反射してしまうからです。

透明な体をもつ動物のタンパク質や細胞分布も、同じような特性を持っていると考えられます。

カエルたちはどこに?

Credit: Carlosdiazgar

3匹のカエルは、現在、ボリビアのアルシド・ドルビニ自然史博物館にあるカイラ両生類保護センターにて保護されています。

研究チームは、今後、グラスフロッグの生態を調べ、繁殖活動を進める予定です。

カエルの生きた細胞だけを使った「生ロボット」の作成に初成功

reference: bbcremezclanewsweek / written by くらのすけ
半透明なカエル「グラス・フロッグ」、ボリビアで18年ぶりに再発見される