中国メディア・今日頭条は29日、日本でこれまで「マナー」とされてきたエスカレーターの「片側立ち」が「危険で非効率的」な行為と認識される一方で、依然としてエスカレーターの片側が空けられたままになっているとする記事を掲載した。

 記事は、日本を旅行したことがある人であれば「日本人はエスカレーターに乗る際にみんなで同じ片側に立ち、反対側は歩く人のために空けておくことを好む」ことに容易に気づくとし、日本社会ではエスカレーターの片側に立つことが「お約束」になっていると紹介。その背景には日本社会の生活リズムが速く、急いでいる人が多いことがあるとした。

 また、急いでいる人のために片側を空けておく行為は「一見、人にやさしい、素晴らしい社会の共通認識のよう」に思え、外国人観光客の中には「ウチの国でも是非浸透してほしい」と考える人もいると伝えている。

 そのうえで、ここ数年日本ではこの「片側立ち」を危険行為とみなし、エスカレーターの両側に立つことを提唱する動きが出始めているとし、その一例として、JR東日本では2018年より安全上、効率上の理由から左右両側に立つよう乗客に呼びかける取り組みを進めていると紹介した。

 記事は、「これまで、エスカレーターで片側を空けておかないと『モラルのない人間』だと思われることを案じてきたが、どうやらついに両側に立つことによって白い目で見られる心配をする必要はなくなりつつあるようだ」とする一方で、日本の「両側立ち」への取り組みは現時点で顕著な効果が出ておらず、日本を旅行すると依然として日本の市民の多くが相変わらず「片側立ち」をしたり、空いている側を当たり前のように上り下りしたりする光景に遭遇するのだと伝えている。

 「片側立ち」は危険で非効率的だからやめようと個人が考えても、片側を空けないことで他人から舌打ちされたり文句を言われたりということが当たり前のように起きていれば、習慣を改めることは難しいだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

エスカレーターの「片側立ち」がやめられない日本人=中国メディア