中国企業からの収賄容疑で秋元司衆院議員が東京地検特捜部に再逮捕され、カジノ汚職事件はさらに拡大の気配だ。100万円単位で不透明なカネを受け取っていた国会議員ゴロゴロおり、永田町界隈では「秋元は小物すぎる。特捜部が狙う最大の本丸は菅官房長官周辺、北海道ルートでは」という不穏な情報が広がっているのだ。

「基本的ポイントを押さえておくと、秋元のカジノ収賄の舞台となったのは北海道です。カジノを含むIR(ホテル、劇場、国際会議場など統合型リゾート)誘致候補地として手を挙げていたのは秋元がイチ推しで動いた留寿都村。ほかの立候補地は釧路市苫小牧市。昨年後半、この中で北海道苫小牧市で調整し、鈴木直道知事も同調する動きだった。ところが、昨年11月末、鈴木知事は突然、『北海道は誘致を断念する』と発表し、関係者を驚かせました。誘致断念の理由は『住民の声や環境面を考慮しての苦渋の決断』としたが、そんなきれいごとは誰も信じていません。というのも、鈴木知事は菅官房長官が全面バックアップして、夕張市長からスライドさせ、知事に押し上げた菅軍団の秘蔵っ子ですからね」(全国紙司法担当記者)

 カジノの主管庁は内閣府で、カジノ管理委員会が内閣府外局として発足した。今後、審査、手続きを経て2021年に候補地が決まる予定だという。

「最終的にカジノ候補地選定に最も影響力を持ち、カジノ利権を裏で牛耳っているのが菅官房長官といわれている。複数の自治体が手を挙げているが、菅氏の腹は決まっていた。自分の選挙区の横浜市、菅氏とツーカー松井一郎市長が誘致活動に熱心な大阪、そして、北海道ですよ。ところが、菅氏は危機管理能力に長けていた。自らの情報網で北海道・留寿都村での秋元のカジノ収賄疑惑を特捜部が追っていると、いち早くキャッチ。菅氏は北海道選定を強引に進めれば、自分と鈴木知事も大逆風に晒されると判断したため、鈴木知事に撤退宣言させたと、もっぱらです」(同)

 社会部記者が続ける。
「特捜部は北海道・留寿都村でのカジノ汚職立件を固め、秋元の昨年末逮捕、1月14日再逮捕に踏み切った。また同日、秋元と留寿都村カジノ誘致を進めていた地元の観光会社会長を贈賄罪で在宅起訴したが、留寿都村、秋元はあくまで特捜部の捜査の入り口。本当の狙いは苫小牧市にあるといわれています」

 実は、秋元議員に贈賄した中国企業『500ドットコム』は、留寿都村と同時に苫小牧市でもカジノ工作をしていたというのだ。

「特捜部は『500』社などの事件関係者を“減刑、または無罪”とするような司法取引を用いている。そして、苫小牧市における北海道関係者や政治家の動向など情報収集している。苫小牧市に進出を表明しているカジノ企業の1社は、カジノに5500億円を投じると表明した米ハードロック社です。同社の日本法人代表者はなんとトランプ大統領就任時の政策立案総責任者。菅官房長官とも密な関係といわれている。そのため特捜部は候補地選定に大きな力を持つ菅氏周辺、北海道関係者、業者などに不透明な金銭授受や便宜供与がなかったか徹底的に洗い出している。疑惑があれば、関係者は1発でアウト。ここにきて『カジノ汚職本丸は菅氏と北海道ルート』と囁かれる所以です」(同)

 一方、テレビ局政治担当記者によると、鈴木知事は誘致断念表明後も、密かにカジノ業者らとの会談を重ねているとされる。そんな不可思議な行動の背景には、政府内の思惑が交錯しているという。

カジノ設置は全国で最大3カ所です。まず最初に2カ所だけ選定し、残りの1カ所はタイミングずらして決定する…。つまり、ほとぼりが冷めた時点で再度、北海道に手を挙げさせ決定する動きではないか。そうすれば、横浜、大阪、北海道と菅氏はカジノ利権を総取りできますからね」(同)

 ハードロック社は、鈴木知事がカジノ断念を宣言した後も事業を継続中だ。今年は『さっぽろ雪まつり』に「アイヌ民族の神話」をテーマにした大雪像で道民に猛アピールするというから、カジノ誘致を諦めていないのかもしれない。

 苫小牧市カジノ誘致には別の情報も飛び交う。
「橋本聖子五輪相は、競走馬の育成事業で実績を誇るSグループから企業や個人献金を受けている。Sグループの1人は苫小牧カジノ誘致推進協議会の要職にあり、誘致が決まればSグループ100haを無償で譲渡するとしている。裏はないのか」(苫小牧市関係者)

 さて、捜査の入り口といわれる秋元カジノ事件だが、贈賄側の「500」社のバックには中国・習近平国家主席と緊密な清華紫光集団の影も見え隠れする。昨年、習氏の右腕、王岐山国家副主席は天皇即位の礼で訪日時、洞爺湖、留寿都村周辺を視察している。それだけに秋元ルートは中国を巻き込んだ大疑獄事件に発展する可能性も否定できない。

 万が一、菅官房長官周辺に異変が起きた場合、安倍首相はどう動くのか。
「菅氏は首相の右腕と言われてきたが、最近は『桜を見る会』、強引に押し込んだ河井前法相と菅原前経産相の不祥事など不手際が目立つ。安倍首相との亀裂は深まり“菅更迭もある”と囁かれ始めた。後任は加藤勝信厚労相の名前が浮上している」(自民党幹部)

 捜査進展に“菅々諤々”。