今、SNSでバズりまくっている一人の男性アイドル、もとい“アイドルオタクアイドル”がいる。自らもボーイグループCUBERS」のメンバーでありながら、熱狂的なアイドルオタクでもある末吉9太郎(26歳)。彼が投稿する「アイドルオタクあるある」動画が、注目の的になっているのだ。

カルチャーフェス
末吉9太郎さん
「MC中の推しに大声で話しかけたら反応がきたオタク」「ライブの最後の言葉に感動したオタク」など、アイドルオタクの生態をリアルに切り取った内容が若者を中心にバカ受け。本人は今の状況をどう思っているのか?

アイドルとオタクを“繋ぐ”男性アイドル

「去年の8月からオタク動画をアップし始めたんですが、街を歩いていると中高生から声をかけられることが増えたし、先日は酔っ払ったサラリーマンの方から『あ、“それなー”の人じゃん』、って言われました。正直バズりたかったので、今はとっても嬉しいですね」

 ちなみに「それなー」とは若者がSNSなどで多用する相づちの表現。彼は動画内で「それなー」を印象的に使っているので、今では代名詞的な存在にまでなっているのだ。

 ほかにも、若者が思わず共感せざるをえないリアルな日常を見事に表現する彼だが、そんな人間観察力をどう養ってきたのか?

「動画の内容は、僕自身のことや、小さい頃から見ていたアイドルオタクの生態をちょっと誇張していますね。自分もそうなんですけど、オタクには“古参アピール”して、つい周りにマウント取っちゃう人がいるんですよ。『昔から知ってるし』的な」

原体験は後藤真希のソロライブ

アイドル
イメージです(以下同じ)
「ほかにも自分より早めに会場に並んでる人に『え? 今日そんなに頑張るイベントじゃないよね?』とわざと聞こえるように言ったり(笑)。そういう姿を見ると『必死さが逆にかわいいな』と思うんです」

 そんな彼のアイドルオタクとしての原体験は、小学生時代に遡るという。

「僕は小学4年のときに後藤真希さんのソロライブに初めて行ったんですけど、会場でオジさんたちが豹変する姿が衝撃的で。ライブ後には皆さん汗だくなので一斉に制汗スプレーをするんですが、今でもライブ会場であの独特の匂いを嗅ぐと、ほっこりします(笑)

「『めちゃイケ』で岡村さんがやっていた」

 今では明るく人当たりのいい彼だが、実は学生時代は「学校にはまったく居場所がなかった」と振り返るほど、寂しい日々だったという。そんななかで唯一希望となったのが、モーニング娘。をはじめとするアイドルの存在だった。

「子供の頃、周りのオジさんファンライブ後に声をかけてくれて生写真をくれたりして、すごい嬉しかった記憶があります。だから当然のようにアイドルになりたいと思ったし、そもそも僕、モーニング娘。に入りたかったんですよ(笑)。昔、『めちゃイケ』で岡村さんがやっていたじゃないですか? だから有名になればいつかハロプロさんから声がかかるんじゃないかって、信じていましたから!」

 しかし、アイドルを目指したオタク青年の道のりは平坦ではなかった。

「とにかく芸能界に入ろうと思ってオーディションを受け続けたんですが、8年間落ち続けましたね。ただ、ずっと『いつかなれるはず』ってポジティブに考えてましたし、そんなにツラかった記憶もないんです。僕のなかではアイドルになることに女性も男性も関係ないと思うし、いたって自然な気持ちで、素の自分のままでいられるので」

モー娘。愛を語ると止まらない

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 諦めなければチャンスはやって来る。ついにCUBERSという今のグループに加入した彼は、’18年5月には憧れのつんく♂が作詞・作曲した曲でメジャーデビューを果たすことになった。

 そんな彼が今でも敬愛する存在が、ハロプロでありモーニング娘。なのだが、その魅力を語ってもらうと、もはや止められない状態に……。

「一言でいうと、大好きなメンバーが卒業しちゃっても、『モーニング娘。』の名前が代々受け継がれていくところですね。だから一回ハマったらもう抜け出せない。僕も高校生くらいになったら好きな人とかができてアイドルオタクは卒業してるかなって思ってたんですが、ずっとズブズブです(笑)

 ハロプロのなかでも僕にとってナンバーワンアイドルは元℃-ute鈴木愛理さん。普通、アイドルは年齢が上がるとともにどんどん大人になっていくんですが、鈴木さんは大人になりつつも、ブリブリにかわいい部分をずっと残し続けてくれているんです!」

アイドル・末吉9太郎の推しポイント



「ソロになってもグループアイドル時代のオタクファンを置いていかず、一緒に連れていくんです!! そこがホントに素晴らしいんですよ!!!」

 ……では最後に、アイドルオタクの目線から見たアイドル・末吉9太郎の推しポイントは?

「難しいなぁ~! 本音を言えば、アイドルとしてはこうなりたくなかったんですよね(笑)。王道アイドルが大好きなんですけど、王道は『エゴサが趣味です』とか言わないじゃないですか。

 でも、ライブで歌っている間だけはキラキラアイドルでいたいと思って一生懸命パフォーマンスしているので、そこは自信を持って推せます!」

 生粋のオタクという強みを生かしてブレイクを果たした末吉9太郎。今後はどんな進化を果たすのか、注目だ。

【末吉9太郎】
’93年、千葉県生まれ。5人組ボーイグループCUBERS」メンバーTwitterフォロワーは15万人を超え、一連の“オタクあるある動画”は「いいね」が2万オーバーを連発。芸名は所属事務所の社長が「メンバー内に一人面白い名前を入れたい」という理由で命名したという

<取材・文/中村裕一 撮影/水野善之>

【週刊SPA!編集部】



末吉9太郎さん