AI崩壊 

松嶋菜々子“幻の濡れ場”は果たして…マジでおっかない近未来映画『AI崩壊』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『AI崩壊』

配給/ワーナー 丸の内ピカデリーほかにて公開
監督/入江悠
出演/大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス三浦友和、松嶋菜々子ほか

昨年末は〝AI美空ひばり〟がヒンシュクを買ったが、あったり前だろう。何でもかんでもAIって風潮はいかがなものかと、今でもガラケーが精一杯の〝昭和アナログ男〟の1人として大いに憤っている。そんな気分の後、大いに溜飲を下げてくれる近未来大作がコレ。自主映画からたたき上げ、近年は『22年目の告白 私が殺人犯です』(17年)などメジャー作品も多く手掛けるようになった入江悠監督念願のSFサスペンス大作だ。

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2030年――。天才科学者・桐生(大沢たかお)と同業の亡き妻が数年前に共同開発した医療AI〝のぞみ〟が、全国民の個人情報と健康を徹底管理する世界となっていた。だが、移住先の海外から帰国した大沢は、この〝のぞみ〟が暴走し始め、人間を選別し、殺戮を始めるという最悪事態を目撃する。さらに、警察はその暴走の張本人を桐生と断定、彼は身に覚えのない容疑で追われ、AIを管理していた義弟・西村(賀来賢人)と強力しながら、事態の収拾へと必死の行動を開始するのだが…。

 

SF不変のテーマ“AI”との対決

一部の週刊誌で、大沢と亡き妻役の松嶋菜々子との〝夫婦の営み〟シーンがあるとウワサされ、ボクも若干の期待で見たのだが、本篇にそんなものは全然ありませんでした。ザンネ~ン。撮ったのに切ったのか、もともと撮られていないのに尾ヒレが付いたのか、定かではないが、あっても良かったよなあ。だって男女の営みは、アナログ行為の最たるものの1つとして、AIと対照的な存在として見せつけてやってほしかった…。

とはいえ、映画は傲岸不遜な〝悪魔の発明〟と化してゆくAIに、製造責任者のはずの人間たちがほぼアナログで必死の抵抗を試みるサマを描いている。主人公・桐生の逃亡アクションアナログ最優先の原始的方法で進められ、彼らを追う警察側のハミ出しベテラン刑事・三浦友和もまた〝足とデカの勘〟的なアナログ捜査のイロハを、相棒の新米美人刑事・広瀬アリスに教え込むあたり異議ナシ。それにしても、アリスはいいね。ドジ&新米キャラが板についているし、個人的には妹・すずより好みじゃ。

人工知能の反乱は『2001年宇宙の旅』(68年)以来、SFの普遍テーマだが、今回は〝10年後の現実〟を直視する。何で人間はこんなに急速に発展・進歩したがるんだろう? 10年前と同じでいいじゃん、とずっと感じている者としては、大きな一石を投じてくれた思いヒシヒシだ。

 

【画像】

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