デジタル化時代が進み、多くのことがこの10年で変わりました。そしてこのスピードは、次の10年でさらに加速するでしょう。変わりゆく世の中で、お金という観点から個人は何を考えて過ごせばよいのでしょう。

※本稿は、有料メルマガ『垣屋美智子のキイトク』(まぐまぐ!)の一部を再編集したものです。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

日本人が貧乏になった2010年代

2010年代を振り返ってみると、リーマンショック直後の不景気から2011年に東北地方太平洋沖地震が起き、経済の低迷が続くと思いきや、政権交代、アベノミクスによる規制緩和、米国経済堅調などで円安が進み、日経平均も右肩上がり。

お給料が上がった実感はないものの、消費税は5%から10%まで上がりました。そして、世界に目を向けると、アメリカやイギリスを含む世界各地で自国第一主義が広がるなど、世界の状況も変わってきたのが2010年代でした。

特に、私たちの身近なところで気づきにくいことを挙げると、2010年には対ドルの為替レートが1ドル80円でしたが、円安が進み、2019年は112円をつけたこともありました。つまり、この10年で円は40%安くなっています。

米ドル換算した私たちの預金は40%少なくなったとも言えますし、アメリカ製を含む外国製のものは40%高くなったとも言えます。

実際、輸入商品である小麦粉などの値上げも円安ドル高の影響がありますし、外国人観光客が増えたのは円安の影響で「日本は旅行するのにお金のかからない国」になったからでしょう。

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2020年代、日本はスキル重視の社会になる

2020年代、どんな世の中になるかわかりませんが、日本で確実に言えることは「少子化高齢化」「観光産業の成長」「終身雇用の崩壊」「グローバル企業の台頭」です。

これらは密接に関わっていて、「少子化高齢化」により移民政策が進むとともに、「観光産業の成長」で価値観がよりグローバル化していくでしょう。さらに「終身雇用の崩壊」と「グローバル企業の台頭」により実力主義が重視され、結果的に格差社会が広がる可能性があると私は考えています。

特にグローバル企業の台頭というのは、今、私たちが使っているスマホやアプリをみても感じるように、日本製が少なくなっている中で、世の中のグローバル化が加速され、日本にいながら外資系で働く人が増える可能性があります。

では、変わりゆく時代についていくために何をするべきでしょうか?

「両立」で疲弊するくらいなら「外注」する

これまでも何度か『垣屋美智子のキイトク』(メルマガ)でお伝えしているように、これからの時代、会社や環境に流されず、ある程度の専門性があるキャリアを築くことが大事な時代になるでしょう。

終身雇用でジェネラリストが価値のある時代は終わり、これから専門スキルを武器に生きるのが主流の世の中になるとしたら、生活の中でも、何でもこなすジェネラリストは脱却するべきです。

たとえば、

  • 専業主婦(主夫)ならそのポジションにあぐらをかかず、プロ専業主婦を目指す。

  • ワーキングマザーなら仕事も家事も育児もと頑張らず、家事代行利用やタクシーでの保育園送迎など、ある程度お金で解決できるところは解決する。

などです。

「何かの時のために貯金する」という考え方を変える

その他にも、お金の使い方で大事なことがあります。2010年代、円安ドル高が進みましたが、この観点で言うと、積極的に貯金したところで、物の値段は高くなっていくのですから、実質的に貯金が増えることはありません。

たとえば、

  • 資格取得だけでなく、キャリアにつながるなら交際費でも自己投資だと思ってお金を使う。

  • 住宅ローン、学費ローンなど将来のための出費には積極的に借金を検討する。

  • ものの値段は徐々に上がるということを念頭に、家具や結婚指輪など、あまり進化しない長く使えるものを買うのには躊躇(ちゅうちょ)しない。

などを実践し、「何かの時のために貯金をする」という考え方をするのではなく、「将来のためにお金を賢く使っていく」に転換することが大切です。

「Open and Challenge」

「Open and Challenge」。何事にもオープンな気持ちでまずは受け入れてみる、そして無理だと思わず挑戦してみるという意味ですが、2020年が始まって1カ月。これまでの固定概念に捉われることなく、新しいことを受け入れ、だからと言って流されすぎず、自分の専門性を磨いていくことが大事だと考えます。

会社に頼るのではなく、自分のスキルがものを言う時代がもう始まっています。