そのままでも火を通しても美味しく、海の旨味がぎゅっと詰まった牡蠣は栄養素もたっぷり。旬は冬で、養殖ものが中心。夏には天然ものの岩牡蠣が出回ります。そんな牡蠣について見ていきましょう!

牡蠣は有史以前からヨーロッパや中国で食され、日本でも縄文時代の貝塚から殻がたくさん見つかっています。ビタミン類やミネラルをバランスよく含むうえに、タウリングリコーゲンなどの栄養素を豊富に含んでいるため、「海のミルク」と呼ばれます。


●亜鉛
ミネラルの中では亜鉛の含有量が非常に多く、血糖値を下げるインスリンの合成を高めて糖尿病を予防し、精力増強や抜け毛防止に働くといわれています。細胞分裂には欠かせず、味覚を正常に保つ働きがあるとされます。

グリコーゲン
グリコーゲンには肝機能を強化する働きが。また、エネルギーを蓄えて疲労回復を早める働きがあるとされ、運動をするときに欠かせない栄養素です。

タウリン
タウリンアミノ酸の一種で、コレステロールを下げる働きが期待でき、動脈硬化の予防に役立つといわれています。

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DHA?EPA?カラダがよろこぶ魚の栄養素(https://cocokara-next.com/food_and_diet/nutrients-of-fish/)

●その他
また、ビタミン類の中ではビタミンB12の含有量が貝類の中でトップクラス。赤血球の生成を助けて貧血を防ぐ効果や、中枢神経の機能を正常に保ち、認知症を予防する効果も。

●調理と組み合わせのコツ
新鮮な生牡蠣は磯の香りと、プリプリとした食感、そして濃厚な旨味と甘みが味わえます。しかし、鮮度が落ちると細菌が増殖し、食中毒を引き起こす危険性があるため、扱いには十分注意が必要です。
殻ごと炙った焼き牡蠣や、衣をつけて揚げた牡蠣フライも絶品。

レモンすだちを絞って食べると旨味が引き立つうえ、柑橘類に含まれるクエン酸が亜鉛を包み込んで、体内に吸収されやすい形に変えるといわれています。

他にも、スープやソースと一緒に摂ることで溶け出したビタミンA・B12を無駄なく摂取できる鍋やシチューグラタンが最適。

ビタミン、ミネラルたっぷりな冬の旨味、牡蠣。召し上がる際は、亜鉛の所要量/日をほぼ賄える4粒(約80g)を目安にしてみてはいかがでしょうか。

参考文献
吉田企世子/棚橋伸子『春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜と魚の栄養事典』,東京:株式会社エクスナレッジ,2011年7月2日
瀬口正晴 八田一(編者)『食品学各論 第3版』,化学同人株式会社,2018年3月1日

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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「海のミルク」牡蠣の三大栄養素って?