有名人を親に持つ、いわゆる“二世芸能人”が多数存在する芸能界。そのような二世芸能人の中には、プロ野球選手を親に持つ芸能人も少なからず存在する。

 有名どころでは、長嶋一茂(巨人・長嶋茂雄終身名誉監督)、Matt(元巨人・桑田真澄氏)や工藤阿須加(ソフトバンク工藤公康監督)などが該当するプロ野球選手の二世芸能人。ただ、芸能界にはこの他にも、プロ野球選手を親に持つ二世芸能人がいる。

 俳優・タレントの杉浦太陽はドラマ・映画・バラエティなどに幅広く出演。2007年6月に元モーニング娘。辻希美と結婚し、現在は4人の子供がいる父親としても広く知られているが、幼少期は野球ではなくバスケットボールに打ち込んでいたという。

 その杉浦の父親は、1972年ドラフト外で南海(現ソフトバンク)に入団した杉浦三六。杉浦は前年の入団テストでは不合格となったものの、同年に受けた二度目のテストに合格。しかし、一軍の公式戦に出場することはなく、わずか一年で南海を退団・引退。引退後は不動産業などに携わっていたが、2014年4月に59歳の若さでこの世を去っている。

 ヴィジュアル系ロックバンド『SHAZNA』のボーカルで、タレントとしても活動するIZAM。一時期は、現在の妻でタレントの吉岡美穂としばしばテレビで共演し、“恐妻家タレント”とも評されていたが、こちらも杉浦と同じく野球経験はない。
 
 そんなIZAMの父親は、元国鉄(現ヤクルト)の日根紘三。日根は1961年に国鉄に入団したものの、一軍公式戦出場経験はないまま、翌1962年限りで退団・引退。なお、引退後は東京都内で印刷業を営んでいるという。

 これまでに、テレビドラマ・映画・CMなど、多数の作品に出演している女優の吹石一恵。2015年9月にシンガーソングライター・俳優の福山雅治と結婚し、世間から大きな注目を集めたことも記憶に新しいだろう。
 
 その吹石の父親は、1975年から1988年にかけて近鉄でプレーした吹石徳一。内野ならどこでも守れるユーティリティープレイヤーとして1020試合出場し、「打率.229・52本塁打・200打点・424安打」といった通算成績を一軍でマーク。引退後は近鉄(1989-2004)、楽天(2005-2012)でコーチやスカウトを歴任した後、2013年からは社会人野球・日本製薬で監督やアドバイザーを務めている。ちなみに、吹石自身には野球の経験がないが、2人の弟は共に高校時代は野球に打ち込んでいたという。

 父親のキャリアはそれぞれだが、いずれも芸能界で活躍しているプロ野球選手の二世芸能人たち。現在現役で活躍している選手たちの子供の中にも、もしかしたら将来芸能界入りを果たす人物がいるのかもしれない。

文 / 柴田雅人

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