新型コロナウイルスによる肺炎の感染者・死者の人数をめぐって、中国政府の発表を疑問視する声が後を絶たない。大紀元は4日、湖北省の複数の火葬場を取材してみたところ、火葬場の処理量は平時の4−5倍にのぼっているという。

電話取材を受けたある火葬場の幹部によると、旧正月に入る前から無休で働いており、忙しすぎて、身も心も持たないと述べた。「昨日(3日)127人の遺体が運ばれてきた。116人を火葬した。死亡証明書の"死因"に"新型肺炎"と書いてあるのは8件、"新型肺炎の疑い"が48件だった」

同幹部の話によると、今まで朝6時から火葬に入り、昼ごろに作業終了する。今は火葬炉が1日中、稼働している。この火葬場に18台の火葬炉があるが、正常に稼働しているのは11台。1体の遺体を焼却するのに50分かかるという。

また、遺体搬送車が不足しているため、輸送能力が限られている。今まで1台の車に1人の遺体を積んでいたが、今は2人を積んでいる。それでも間に合わないため、バンの椅子を撤去し、7、8人を運搬している。

この火葬場には9台の遺体搬送車があった。「今、運んできた遺体の数と処理量は通常の4−5倍だ」と同幹部は言う。

武漢市の新洲火葬場にも取材した。取材に応じた職員は9台の火葬炉が24時間稼働していると答えた。

漢口火葬場は、20台の火葬炉がフル回転していると大紀元の取材に答えた。

武漢市には現在、8箇所の火葬場がある。

冒頭の火葬場幹部によると、多くの遺体は病院からではなく、死者の自宅から運ばれてきたという。

「ちょっと計算してみたところ、38%が病院から、61%が自宅から運ばれてきた」

中国当局は新型肺炎感染患者の遺体取り扱いに関する通達で、自宅で死亡し死因がはっきりしない場合、感染者と接触した経歴があれば、一律に「感染疑い」として処理するよう指示している。

中国政府が発表した死者数は感染を確定した患者の死亡人数であり、感染疑いのままで死亡した人を含んでいない。

(取材・王有法、何堅/翻訳編集・李沐恩)

武漢市内で患者を運ぶ救急車。(HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)