ジャパニーズホラーの大家で、自らの作品のハリウッドリメイク『THE JUON/呪怨』『呪怨 パンデミック』で全米興行収入1位を獲得した清水崇監督。最新作となる『犬鳴村』は、実在の心霊スポットを舞台にした都市伝説ホラーです。

三吉彩花
三吉彩花さん
 身の回りで起きる奇妙な出来事の真相を突き止めようとする臨床心理士の森田奏役を、女優でファッションモデル三吉彩花さん(23)が務めました。

 今年はさらに主演作『Daughters』(2020年秋公開)も控えるなど、女優としての活躍が目覚ましい三吉さんに、本作の撮影現場で感じたことや、ここ数年の心境の変化などを伺いました。

もともとジャパニーズホラーは苦手

――主演作が続いていますが、今回はホラーに初主演ですね。

三吉彩花(以下、三吉):この前がミュージカル映画の『ダンスウィズミー』だったので、全く別のお芝居ですし、撮影に入る前からとても楽しみでした。

――もともとホラーは?

三吉:海外のホラーはとても好きです。日本の作品とは文化的に違いますし、笑えるところもあって、どこか自分とは離れて観ることができるので。逆にジャパニーズホラーはほとんど観たことがないです。近しい感じが苦手で(苦笑)。

――それが今回は、ジャパニーズホラーの第一人者である清水監督作の主演です。

三吉:ご一緒させていただける機会があるとは全く思っていませんでした。監督にお会いしたときに「ジャパニーズホラーは苦手で、監督の作品も観たことがないです。すみません」とお話したら「いいよ、全然。観なくていいよ」とおっしゃっていました(笑)。なので、結局、『呪怨』を少し観ただけです。

福岡出身の友人はみんな知っていた

三吉彩花

――都市伝説は?

三吉:それは大好きです。本を読んだり、本当なのかどうか、調べ尽くします。それでいちいち怖くなったりもしないです。

――今回は、実際に福岡県にある心霊スポットの旧犬鳴トンネルを舞台にしています。正直、怖くないですか?

三吉:映画用に物語を作っているので、そこは分けて考えました。ただ、福岡出身の友人はみんな旧犬鳴トンネルを知っていたし、行ったことのある人がほとんどでした。そんなに有名なのは驚きましたね。

――撮影現場はどんな感じでしたか?

三吉:基本、自由にやらせていただきましたが、怖がるタイミングや、気配に気づく時の目の動かし方、怖がり方といった、ホラー独特のお芝居について、その都度、監督から教えていただきました。叫んだりすることが多かったので、体力を使いましたね。

 現場の雰囲気としては、とても和気あいあいとしていました。ホラーの現場ですから、シリアスで暗い感じなのかなと思っていたのですが、監督さんも含めて、みなさんカットがかかると笑い合って、とても楽しく撮影していたのが意外でしたね。

切ないし、ラストはぞわっとします

犬鳴村

――よく聞く、撮影現場で怖い出来事が……といったことは?

三吉:途中でカメラが壊れました。電源が落ちたり、照明が消えたり。バッテリーが切れるという経験はありますけど、壊れるのは珍しい体験でした。「これが、ホラーの撮影現場か」と思っていました(笑)

――出来上がりを観ての感想を教えてください。

三吉:ただ怖いだけではなくて、切ないお話で、観終わって結構重いものがありましたね。あと、ラストがぞわっとするので、最後までちゃんと観ていただきたいです。

インドで、自分の人生を俯瞰で見られた

三吉彩花

――ここ数年、積極的に映画に出演しています。意識的にお仕事を選んでいるのですか?

三吉:こうしたお仕事って、今流行っているからといって考えるのではなく、先のことを考えて選んでいく必要がありますよね。

 そうしたことを考えながら、いただいたストーリー、脚本から選んでいった結果、映画が増えました。もともと映画が好きなので、自分自身の活動の先を見据えての結果でもあります。もちろんドラマやらせていただきたいと思っています。

――二十歳のときに仕事でインドに行ったことで、大きな変化があったそうですね。行く前は仕事などで悩んでいたのでしょうか?

三吉:仕事に関しては、常に悩んでいますけど、二十歳のときは特に悩んでいました。自分は何がしたいのか、何を選択したらいいのか、ビジョンがあまり見えなかったんです。インドに行ったからといって、全てが改善されたわけではないですが、落ち着いて考える時間を持てました。

 自分が本当にちっぽけに思える、それこそ生と死が隣り合わせのガンジス川の壮大な景色を前にして、ひとりの人間としてどう人生を歩みたいのか、俯瞰で見ることができました。

無理なことは「無理」と言う

犬鳴村

――現在は海外での仕事にも興味があるとか。

三吉:これからはアジアや海外も拠点にできたらと思っています。そのために、英会話を勉強したり、日本の仕事であっても、なるべく海外で撮影できたりするものを選んでいます。

 でも焦ってはいません。年齢は関係なく、ゆっくり丁寧に、仕事に向き合っていきたいです。

――最後に仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

三吉:人に感謝すること、自分の意見を持つこと。あとは、オンとオフをちゃんと分けること。2019年、とてもたくさんお仕事をさせていただきましたが、たまに深呼吸できなくて、大変だなと思う時期もありました。今年は、忙しくなればなるほど、きちんと自分でコントロールできるようになりたいと思っています。

 無理なことは無理と言う。作品の合間に1週間休みがあったら、「ここは絶対、海外旅行に行きます!」と先に伝える(笑)。意識してちゃんと休みを取ることも、大切だと感じています。

<取材・文・写真/望月ふみ>

犬鳴村
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【望月ふみ】

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異