日本を訪れた中国人の多くは、「日本は現代化と伝統の保存を上手に両立させている」と驚くというが、なぜそのような感想を抱くのだろうか。中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本は高度に発達した先進国であるというのに、いたるところに神社仏閣が存在するのはなぜか」と指摘する記事を掲載した。

 記事は、日本は製造業や金融業などで世界有数の実力を持つ先進国であると伝え、「物質的に豊かになれば、人びとの宗教に対する信仰心が薄れても不思議ではないのに、なぜ日本は伝統的な神社仏閣が今なお数多く残されているのだろうか」と疑問を投げかけた。

 この理由について、「神道や仏教が日本人の生活に密接に結びついているため」ではないかと考察し、日本人はあらゆるものに神が宿ると考えるため、神社の数が多いのは不思議なことではないと指摘。また、お寺は日本人の死生観に関わる存在であったうえに、かつては寺子屋として日本人の教育の普及に関わった場所であると伝え、中国人に比べて日本人にとって宗教はより身近な存在としてあり続けたのだと指摘した。

 さらに、日本で神社仏閣が持つ経済的な力は大きいとし、広大な土地を持ち、莫大な資産を持つ神社仏閣は少なからず存在すると強調。中国と違って、日本の神社仏閣は「家族経営」で成り立っており、長い時間をかけて大きな経済力を構築してきたと紹介、たとえば日本を代表する山として中国でも広く知られる富士山は「八合目から上は浅間神社の私有地」であると指摘した。

 記事は、高度に発達した日本において、今なお神社仏閣が至る場所にあるのは「日本人の生活にそれだけ密着した存在であることを示し、同時に淘汰されることなく存続できる経済力を持つためだ」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

高度に発達した日本、なぜ伝統的な神社仏閣が数多く存在するの?=中国メディア