切羽詰まった状況というのは、得てして人の心から余裕やゆとりを奪ってしまうものなのかもしれない。
ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督は、成績不振やクラブ幹部との摩擦により解任されたカルロ・アンチェロッティ前監督の後任として昨年12月にナポリの指揮官に就任した。しかし、就任以降の成績はリーグ8試合で3勝5敗。再建どころか順位も11位に落としてしまった。
パルテノペイの不信感も日に日に高まっていく中、ガットゥーゾ監督は家族や友人たちと食事へ。場所はナポリ民謡でも知られるサンタ・ルチアにある高級レストラン。ここで同監督はある“歓迎”を受けることになる。
ウェイトレスが注文したコーヒーを運んでくると、監督の前でコーヒーカップをひっくり返してしまった。驚いたガットゥーゾ監督は慌てて避けようとしたが、実は中身は空っぽ。
これはイタリアではよくある定番ジョークらしいのだが、映像を見る限りガットゥーゾ監督は一瞬カチンときた様子。どこまで本気かわからないが手をあげようともしている。
それでもすぐに調子を取り戻したイタリア人指揮官は、一緒に来ていた周りの人たちと共に笑みを浮かべ、その場は収拾がついた。
普段ならすぐに笑って気の利いた一言でも言いそうなものだが、今はチームの状況が状況なだけに、心に余裕がなかったと推測するのは野暮だろうか。それでもこの反応を揶揄するイタリアメディアは少なくない。
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