日本人選手が越えられなかった壁をぜひ乗り越えてほしいと語るセルジオ越後氏
日本人選手が越えられなかった壁をぜひ乗り越えてほしいと語るセルジオ越後

欧州の冬の移籍市場が閉じた。

日本人選手では、なんといっても南野のリバプール移籍に驚かされた。何しろ今のリバプールは「世界一強い」と言っても過言じゃない。かつて香川がマンチェスター・ユナイテッドに移籍したとき以来のビッグニュースだね。

くしくもリバプールの監督はクロップ。香川がドルトムントで絶好調だったときの監督でもある。彼には当時の香川のいいイメージが南野に重なって見えたのかもしれない。

もちろん簡単な挑戦じゃない。リバプールの前線はサラー、フィルミーノらスーパースターぞろい。南野はチームに合流して以降、何度か出場機会をもらっているけど、マネが故障で不在の今のうちに、目に見える結果を出しておきたい。

ここまでのプレーぶりは、どこか周りの選手に遠慮しているように見える。ゴール前に入るタイミングが遅れている。もっと貪欲にゴールを追い求めてもいいと思う。

攻撃的なポジションの選手で、ビッグクラブプレーした日本人といえば中田 英(当時ローマ)や香川(同マンU)が思い浮かぶ。彼らはチームの中心として継続的な活躍をするまでには至らなかった。それだけ高い壁ということだ。

でも、リバプールと同じくプレミアリーグ上位のトッテナムには、韓国代表のソン・フンミンがいて、主力としてバリバリ活躍している。それを考えれば、南野には負けてほしくないし、これまで日本人選手が越えられなかった壁をぜひ乗り越えてほしい。

南野以外では吉田と長友、所属クラブで居場所を失ったベテランふたりの動向が注目を集めた。結局、吉田はイタリアサンプドリアに期限付き移籍し、長友はチームが見つからずガラタサライに残留。明暗を分けた。

いつも言っていることだけど、プロは試合に出てなんぼ。試合に出なければ錆(さ)びつくし、試合に出なければ評価の対象にもならない。どんなにそのクラブや環境に愛着があろうと、年俸やリーグレベルが下がろうと、出場機会を求めて移籍するのは当たり前の判断だ。

吉田が渡ったイタリアは"守備の国"。イングランドとは違った激しさがある。DFの彼にとっては新たな経験を積める、ポジティブな挑戦になるだろう。まだ老け込む年齢ではないし、ぜひ気分一新で頑張ってほしいね。

長友に関していえば、このまま飼い殺しが続けば日本代表にも影響が出る。昌子(トゥールーズ→G大阪)のようにJリーグ復帰も考えるべき。

長年トップレベルプレーしてきた彼にしか伝えられないものが絶対にあるし、何よりJリーグが盛り上がる。イニエスタもいいけど、サッカーファン以外でも顔と名前を知っている日本人スターがいてもいい。長友本人のためにも、日本サッカーのためにも、Jリーグ復帰は良い選択肢だと思う。そして、チャンスがあれば、また欧州に渡ればいいだけの話だ。

海外組の数は増えたけど、今シーズンに関していえば、十分な出場機会を得られていない選手が多く、明るい話題が少ない。今の状況が続くようだと今年9月に始まるカタールW杯アジア最終予選が心配。選手たちにはぜひシーズン後半に巻き返してほしい。

そして最後にボタフォゴに加入した本田についてもひと言。ブラジルは甘くないよ。

構成/渡辺達也

日本人選手が越えられなかった壁をぜひ乗り越えてほしいと語るセルジオ越後氏