何が出てくるかわからない! ブラックボックスから繰り出した最強の一撃こそがにじさんじの“Virtual to LIVE in 両国国技館 2019”

 今回放送された3つのライブの中で唯一参戦できた、にじさんじVirtual to LIVE in 両国国技館 2019”。それゆえ、思い入れもひと際強く、限界オタクと化して暑苦しく語っていくことをお許し願いたい。

番組ではライブトップバッターを務めた剣持刀也が一緒に振り返ってくれた。

 VTuberグループの中でもひと際人数の多いにじさんじイベントがあると「誰が出るのか」、そして「誰と誰が一緒にやるのか」、さらには「何をやるのか」まったくわからないブラックボックス。それがにじさんじだ。

 今回の放送で紹介されたのは以下の5曲。

剣持刀也による『Sharpness…
剣持刀也勇気ちひろによる『ダンスロボットダンス
笹木咲椎名唯華による『ロキ』
ジョー・力一月ノ美兎樋口楓鈴原るる、えるによる『林檎もぎれビーム
全員参戦の『Virtual to LIVE

剣持刀也による『Sharpness…』。
剣持刀也勇気ちひろによる『ダンスロボットダンス』。
笹木咲椎名唯華による『ロキ』。
ジョー・力一月ノ美兎樋口楓鈴原るるえるによる『林檎もぎれビーム』。
全員参戦の『Virtual to LIVE』。

 まずこのライブを語るうえで、昨年10月幕張メッセイベントホールで開催されたにじさんじMusic Festival ~Powered by DMM music~”での出来事を触れないわけにはいかない。にじさんじグループとして初開催となったこのライブ、筆者も当然、現地で参戦していた。

 このライブは、にじさんじ1stアルバムにじさんじ Music MIX UP!! 」のリリースを発表(リリース11月27日)して間もなく開催されたライブだった。アルバムに収録される楽曲はすばらしいものばかりで、ライブでもアルバムの曲を聞きたい」と願っていたファンも多いハズだ。筆者もそのひとりであった。

 しかし、実際のライブでは、アルバムの曲はライブ前半にDJパートというかたちで披露。後半はほぼアルバムとは関係ない組み合わせで進行していった。おそらく、スケジュールであったりもろもろの都合で、あのかたちが当時の最善だったのだとは理解はしている。でも、アルバムの曲が聞きたかった」「まだまだにじさんじの全力全開はこんなもんじゃない!」という気持ちだけが胸の中で燻り続けていた。

 そんなライブから2ヵ月。そう、たったの2ヵ月の期間をもって開催されたのがこのVirtual to LIVE in 両国国技館 2019”だった。正直、現地で開演を待つ筆者は、前回のライブでの記憶がリフレインしてしまい、不安で仕方がなかった。

 が、そんな思いは杞憂だったと1曲目の『Sharpness…』を聞いた瞬間に察して、叫び、そして嗚咽した。

 ステージの演出が、選曲が、ファンの盛り上がりが、すべてが最高のスタートだった! みんな待ってたんだよね、コレを!!

 今回のライブはとにかく出演者それぞれの「これがやりたかったんだ!」が伝わってくる内容で、演者たちの「どうだ! スゴイだろ!」という気迫が観客たちに伝播していくのが身体でわかった。

土俵入りする稀勢の笹。
笹木咲の手から放たれた“気”によって倒された椎名唯華

 中でも印象に残っているのが、ジョー・力一と絶望少女達による『林檎もぎれビーム』だ。

 このライブは、剣持刀也(Aソロ曲)→剣持刀也勇気ちひろ(A&Bユニット曲)→勇気ちひろ(Bソロ曲)→剣持刀也勇気ちひろMC(A&B MC)、という法則のもとセットリストが構成されていた(ほとんど)。

 そのため、戌亥とこが出てきたら、「じゃあこの出演陣の中なら関係が深い御伽原江良がつぎに出てくるかな?」などの予測を交えながら、筆者はライブを楽しんでいた。

 そしてライブ終盤、とんでもないことに気がつく。あまりにも関係性のないジョー・力一月ノ美兎樋口楓が最後のパートに残っているのだ。

「いったい何が起こるんだ?」

 そんな期待と戸惑いに胸を膨らませる会場。そして現れる予想外すぎる5人の影。

絶望先生だ」

 会場にいたにじさんじファンなら瞬時に理解したのではないだろうか? 大槻ケンヂのことが大好きと公言しているジョー・力一センターに、『さよなら絶望先生』に明るいバーチャルライバーたちが脇を固める。

「やりやがった!」

 そんなことを思う間もなく、ジョー・力一の圧倒的な歌唱力が、月ノ美兎の事前放送で「腰を壊した理由」が分かるめちゃくちゃな動きが、ひと際華麗な鈴原るるアイドルステップが、ただのライブにいる限界オタクえるが、そしてあまりにも解釈一致な樋口楓の「ユア ライフ チェンジス エブリシング!」が観客を襲った。

樋口楓シャウトが会場に響き渡るシーン。原曲と是非聞き比べて見てほしい。

 さきほども述べたが筆者はこのライブに現地参戦している。が、今回の振り返り配信で目に飛び込んできた画像はあまりにも新鮮なものだった。

 なぜか? そうだ、ライブ当日は、あまりの衝撃にテンションが振り切れ、無我夢中で頭を縦に振り続けていたため、前なんてほとんど見ていなかったのだ。

 そんな当時の記憶を思い出しつつ、上映会ではライブタイトルにもなっている『Virtual to LIVE』の映像を迎える。

曲の中でイチバン好きな歌詞。

 にじさんじをもうまるっと2年も追いかけている筆者は、この曲が未だにキチンと聴けないでいる。購入はしてあるがiPhoneにも入れていない始末だ。不意にランダム再生で流れてみろ、31歳のおっさんが路上で膝から崩れ落ちてすぐ事案なんだワ。

 にじさんじを代表する曲であるこの『Virtual to LIVE』は、芸人集団とも呼ばれるような明るいにじさんじとは裏腹に、実は非常に薄暗い雰囲気のある曲だ。

歌はこう始まる

どうしようもなく今を生きてる
この声が届く未来が幸福だと言えるようい
ただ歌おう謳おう
Virtual to LIVE

 VTuber界隈は非常に盛り上がっているように見えて、まだまだ地に足の着かない、未熟なジャンルである。どうやってこの業界を盛り上げればお金を生むことができ、それを仕事にできる人が増え、このジャンルを続けることができるのか?

 その答えがまだ見えず、全員が暗中模索している最中だ。それはVTuberというジャンルが生まれ、走り出してから約2年たった今も同じで、VTuber界隈のニュースに詳しい読者なら暗いニュースも山ほど見てきただろう。

 そんな業界の暗い部分にフタをせず、いつ終わるかわからない、でも今が楽しいしこれからも楽しくありたい、そのために出来ることをするだけなんだという歌『Virtual to LIVE』は、VTuberというジャンルに深く関わる人ほど心を抉られる歌ではないだろうか?

 こうしてお金を貰い、仕事として記事を書いている今もこの曲のことを思うと涙が止まらない。画面が滲むほど涙を流しながら鼻水を啜り書いている。

 とくに曲の終盤、時計の音が鳴り、一瞬の静けさが訪れた時。100人に届くかというバーチャルライバーの先頭を2年間走り続けている月ノ美兎が静かに言う。

「いきましょう」

 のひと言に尽きる。本人もここは大事だと考えて何種類も練習したという「いきましょう」。聞けばわかるが決してライブを盛り上げるためのトーンで「いきましょう!」とは言っていないのだ。

「いきましょう」

 これからの活動への想いを噛み締めるような、あまりにも重いひと言に演者もファンも心を動かされる、まさに「ライブ」の醍醐味が詰まった両国国技館での2時間だったのだ。

 

 なんて辛気臭く書くとVTuberはもうダメなの? とか思ってしまう人もいるかもしれないが心配しないでほしい。にじさんじは、まさに現在進行形で、全国ツアーにじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!”を開催中。さらにはメジャーデビューに新たなアルバム発売にとまだまだ快進撃は続きそうだ。

 恐ろしく倍率が高かったので筆者は福岡にだけ現地参戦する予定だ。福岡はとんこつラーメンも美味いが、じつはうなぎもイイ店があるんだぜ! 楽しみだヒャッホゥ。オススメは吉塚うなぎ屋だ。そしてまだまだにじさんじが浴びたりねぇ! って人は、にじさんじオフィシャル ニコニコチャンネルもヨロシクな!!

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【.LIVE、ホロライブ、にじさんじ】VTuberライブイベント特別上映会

最後に

 いや~~~、溢れる想いのまま書き殴ってしまったため、にじさんじのボリュームだけえらいことになってしまった。編集に「好きに書いていいですよ」と言われたからこうなっているのであって、まったく反省はしていない。

 今回のような記事を書くことがあろうがなかろうが、私はただのVTuberオタクであるため、知識だったり熱量だったり“好きの量”には偏りがある。でも、そんなものは普通だし、仕方のないことなので気にしない。自分のできる限りで良い内容を届けようと努力するだけだ。

 ファン活動も同じである。よくVTuberマシュマロ【※】「配信が多すぎてすべてが追えない。私はファン失格でしょうか。」というようなメッセージが届くのを見る。

マシュマロ……匿名のメッセージを受け付けるサービス。「世界はもっとマシュマロを投げ合うような安全さで満たされるべき」という思想で作られており、ネガティブな発言は自動で削除されポジティブなもののみが届くような仕組みになっている。

 決して失格なんかじゃあない。そんなことは書いている本人もわかっているハズだがそれを止められない人は多い。認めてほしかったり、構ってほしかったり、本当に悩んでる人もいるのだろう。

 でも、どうか思いつめないでほしい。好きのバランスが変わっていくのだって、推しが変わるのだって、すべてのイベントに参加できないのだって、すべての配信が追えないのだって1日のうち20時間を割いている私だって「仕方がないこと」だと思う。

 その時々の自分の生活スタイルや、気分や趣味の合致など、臨機応変に、ゆるやかに新しい次元の世界を楽しんでみてはいかがだろうか? その時々の“出来る限り”をファン活動としよう。

 何が言いたいっかって言うと、鷹宮リオンしなのに、彼女が出演するZepp名古屋に行けなくても私はお嬢推しには変わりないということである。でもあわよくば行きたいので、お仕事お待ちしております。それではまたどこかで。

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【.LIVE、ホロライブ、にじさんじ】VTuberライブイベント特別上映会

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