郵政産業労働者ユニオン(郵政ユニオン)は2月14日日本郵便の有期契約社員が、正社員との待遇格差を不当として、支給されていない手当相当分などの支払いを求めて、全国7カ所の地裁に集団提訴することを明らかにした。

提訴するのは郵便局などで有期契約社員として働いている154人。同日、6地裁に提訴し、18日にも長崎地裁で提訴する。同じような仕事をしている正社員には支給される手当が、非正規社員に支給されないのは「不合理な格差」であり、労働契約法20条に違反するとして、総額約2億3230万円の損害賠償を求める。

原告代理人の棗一郎弁護士は、「労契法20条違反の裁判は数多くあるが、これだけの原告が集まった裁判はそうないのではないか」と話し、「同一労働同一賃金」にもとづく格差是正を訴えた。

●先行する裁判では一定の範囲で損害が認められている

今回の裁判で非正規社員が求める損害賠償の内容は、(1)住居手当、(2)年末年始勤務手当、(3)夏季冬季休暇、(4)祝日給(年始)、(5)病気休暇、(6)扶養手当、(7)寒冷地手当の手当相当分、(8)夏季・年末手当の差額相当分。

日本郵便を相手とする労契法20条違反の裁判は、今回の提訴とは別に、すでに3つの高裁判決(福岡・東京・大阪)が言い渡されており、いずれの判決でも非正規社員にも認めるべき手当があると判断された。

具体的には、福岡高裁は(3)については損害を認め、東京高裁・大阪高裁は(1)の損害を認めるなどだ。

先行する3つの裁判はいずれも最高裁で争われており、近く統一した判断が示されることが予想されているが、時効の関係もあり、最高裁の判断を待たずに今回の提訴に踏み切ったという。

●「正社員の待遇を下げても格差是正にはならない」

弁護士によると、正社員の20分の1ほどの年末年始勤務手当しかもらえなかった非正規社員もいるといい、「非正規社員にも定年がある。定年後も含めて、安定した生活をおくれるよう、『同一労働同一賃金』を実現していかなければならない」と訴えた。

会見に出席した東京23区内の郵便局で働く男性は、「深夜の作業を担当しているが、深夜手当がなければおそらく生活が立ちいかなくなる。日勤でも生活の安定を図れるような待遇に変えていかなければならない」と語った。

また、埼玉の郵便局で働く男性は、「日本郵便は正社員の待遇を下げて格差を是正しようとしているが、そんなことをしても非正規社員のかかえる問題の解決にはならない。今回の裁判に勝って、本当の格差是正につなげたい」と話した。

日本郵便で新たな「同一労働同一賃金」訴訟 非正規社員154人「格差是正して」