もくじ
ー ただただ磨く会 第2段
ー なかなか汚れが落ちない だからいい
ー 最高の気分で試走会 そして壊れた
ただただ磨く会 第2段
タイヤをミシュランの「パイロット・エグザルトPE2」に交換して、走りも気持ちもフレッシュになったいっぽうで、気になっていたことがある。
まず皆さん、「バルブステー」なるものをご存知でしょうか? ホイールのリム部分から生えるエアバルブに寄り添うかのように設置されるステーで、バルブが高速域で振れぬようにするものだ。
バルブステー単体の写真がこちら。79年式のシャカヨン号(911 SC)には、後輪にのみ接着されている。
ホイールには、このようについていて、ここが真っ黒な汚れの温床になっていた。
あまり気にしないという人もいるかもしれないが、僕はここが前々から気になっていた。気になっていたけれど、特に何もしていなかった。
「第92話:男ふたりでエンジン磨いて。」で、夜を徹して、ただただエンジンを磨いた筒井さんとのタッグ第2段。冷え込む夜に、男ふたりきりで(笑)
なかなか汚れが落ちない だからいい
バルブステーは、ポルシェセンター世田谷で買った。2530円だった。
これまでついていたバルブステーを外すと、こんなかんじ。もう真っ黒でドロドロである。これまで放置していた自分を情けなく思う。
こちらが新品とこれまでついていたものの比較。両面テープがくっつく台座の部分がコンパクトになっている。
これからがたいへんだった。以下の道具で、バルブステーが貼ってあった部分をクリーニングしようとトライするものの、なかなか落ちない。
30分くらいこすっても、固着した両面テープが落ちない。指も痛くなってきた。まいったなぁ。
筒井さんのすごいところは、道具が何でも揃っているところ。いつも自分でイジっているからこそだ。不思議なくらい色んなものが出てくる小さな箱から次出てきた「ひみつ道具」はコンパウンドだった。
さすがの僕でもコンパウンドの取り扱いはわかっているつもりなので、布にほんの少しだけとって、そっと撫でるように頑固な汚れに当てると、あれよあれよと消えていった。
(最初からこれでやれば……)
同時多発的に浮かんだこの言葉が、お互いの顔に克明に刻まれていたけれど、「ま、いろいろやった積み重ねの結果だね」なんて、にこやか風で語り合いながら、残りの汚れを徹底的に落としきった。
この時点で、わたしたちはハイである。
そして、新しいバルブも貼り付けた。
壮観! これまでのドロドロというかカピカピな状態と比べると、新車ですよ!(当社比)
というわけで、(走りは変わるわけではなのに)試走会にでることにした。そして壊れた。
最高の気分で試走会 そして壊れた
ちかくのデニーズまで走った。キンと冷え切った駐車場にたたずむシャカヨン号の足元を、電灯が照らす。
フックスホイールでよかったなと思う瞬間だ。リムのシルバーの部分が、磨いた甲斐あって、キラリと輝いている。
自己満ばんざい!
あつあつのドリアを掻き込んで、もういちどホイールを見たくなった。滞在もほどほどに駐車場に戻って、ふたりでニヤニヤしながらホイールを眺めた。
行っちゃう? ということで、いつもの首都高へ。筒井さんが運転した。
「ホイールがぴかぴかになったから、走りも軽くなった気がする」(筒井さん)
「やっぱりそう思う!? 実は僕も……」
もうアホである。
パーキングに停めてはホイールを眺め。期待以上に気持ちがフレッシュになった。
最高の気分のまま、筒井さんを送り届けるために、いちど筒井邸に戻り、駐車場に停めようとしたところ。
僕:「あれ……」
筒井さん:「ん……」
一同:「……」(真顔)
シフトノブが1速に入っているのに、半クラ状態でもクルマが前に進まない。ためしにリバースにいれて後退しようとする。状況はおなじ。
ゆっくりクラッチを離していくと、あるところでガックンとエンストする。
撃沈……。
家の前だったのが幸い、筒井さんの妹さんが召喚され(夜中に本当にごめんなさい)、ハンドルを握ってもらい(おばかなお兄さんたちに巻き込んでしまい、ごめんなさい)、僕と筒井さんで安全なところまで押す。
「大丈夫ですよ! 慣れてますから」という、妹さんによる謎のなぐさめとともに、シャカヨン号は筒井邸でひとまず休むことになった。
午前3時の出来事である。
※今回も最後までご覧になってくださり、
ありがとうございます。
ふだんやらないことをすると、
こんなことになるジンクス。
どうなることやら……。
今後とも、inquiry@autocar-japan.com まで、
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もちろん、なんでもないメールだって
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