昨年のタピオカミルクティーの流行に続き、2020年バナナジュースなどがブレイクすると言われているが、ココにきて意外なモノが急激に評価を上げている。

 それが“昆虫食”である。実際に都内をはじめ、各地で昆虫食を扱った店が続々出店しているほか、通販でも昆虫食が人気を集めているという。

◆話題のコオロギスナックは“やめられない、止まらない”?

 そこで、昆虫食をはじめとする世界の食糧事情に詳しい、フードライターの松本克人氏に電話インタビューを慣行した。

「それは世界的にみても当然の流れでしょう。2013年に国連食糧農業機関が肉や魚に代わって“環境に優しく栄養価の高い昆虫”を食糧として推進したのです。世界的な人口増加に伴ってタンパク質が不足する可能性があり、肉や魚などで補っていたタンパク質の摂取を“昆虫”に代えていこうという話ですね。近年、アメリカや北欧を中心に昆虫食ポピュラーになってきていますよ」

 確かに、戦前の日本でもイナゴなどを食べていたというが、ポピュラーになってくるとは言いすぎでは……? とはいっても百聞は一見にしかず――。筆者が実際に店舗に足を運んで、話題の“昆虫食”を実食してみた!

 まずは、「ナチュラルローソン」などでも販売されて、話題になっていた『スーパーコオロギ玄米スナックナチュラルソルト>』(MNH、280円)を通販でオーダー。シンプルパッケージの中から“コオロギが飛び出してくるのでは……”という恐怖に怯えながら、袋を開けてみると、よく見かけるリング状のスナックだった。あれ、思っていたのと違う! 食べてみると、玄米の香ばしさが漂う塩気のきいたシンプルスナックだ。これは“やめられない、止まらない”味だ。

 前出の松本氏はこう語る。

「同商品はかなり初心者向けですからね。今、コオロギを使った商品やメニューは日本でも数多く開発されていて、そのきっかけになればよいくらいかと。コオロギは栄養価が高く、同重量の牛肉に比べてタンパク質は約2倍、カルシウムアミノ酸も豊富に含まれています」

◆カルチャーの聖地で6種の“昆虫オードブル”にトライするも……

 これでは、取材のやりがいがない――。そんなワケで、もっと昆虫らしい昆虫を食べるために昨年11月リニューアルしたばかりの「渋谷PARCO」内にある『米とサーカス 渋谷PARCO店』へ行ってみることに。同店は、昆虫以外も珍しい動物の肉やジビエ料理を扱っているらしい。

 メニューを見ていると泣きそうになってきたが記者のプライドに懸けて、「六種の昆虫食べ比べセット」(1780円)と「イナゴお茶漬け」(480円)とアルコールをオーダー。すると、やってきたのは、皿にも盛られた昆虫たちではないか……! これはちょっと……。いや、食べるしかない。

 まずは、オケラやハチノコから食べてみることに。オケラはエビなどに近く、ハチノコもナッツのような味わいで非常においしい。昆虫食もなかなかだ。しかし、ゲンゴロウは殻が硬いうえに味も淡白であまりおいしくはなかった。また、羽根を広げてハサミで切って中身を食べるタガメは、風味こそフルーティーだが、ところどころ酸味が強すぎて記者は完食しきれなかった。ちなみに「イナゴお茶漬け」は、コクがあってペロリと食べ切ることができた。

 松本氏は、系列店舗にはよく行くと言う。

タガメが口に合いませんでしたか……。私は、洋梨のような風味とトロトロとした食感が大好きですけどね。ぜひ次はオオグソクムシも食べに行ってください」

 感想は人それぞれとして、渋谷のカルチャーの聖地で“昆虫食”がふるまわれているだから、今後、タピオカのようにハヤってもおかしくはないはずだ――。

◆見た目も良好、味も最高な「シルクバーガー」とは?

 さらに記者は、“蚕”を使ったハンバーガーを食べられる店がオープンしたという情報を入手。オシャレタウン表参道の屋台村「COMMUNE」内にある『シルクフードラボ』を訪れた。蚕を原料とした次世代食品「シルクフード」を販売するショップで、5月ごろまで期間限定で営業しているという。迷わず、「シルクバーガー」と「シルクスープ」のセット1500円)をオーダー。

 するとやってきたのはいたって普通の……いや、むしろちょっとオシャレグルメバーガーとミネストローネだ。「シルクバーガー」について店員に聞いてみると、牛肉と半々くらいの割合で蚕のさなぎをペイストしたモノを練り込んでパティにしているそうだ。

 思いきりかじりついてみると、パサパサとした食感は豆腐ハンバーグと似ているが、肉には深いコクがあって後味もクセになるではないか! どことなく“大地”を感じたのは気のせいではないはずだ(ぜひ食べてみてもらいたい)。蚕の粉末が入っているという。

シルクスープ」のほうは、まろやかでかなり飲みやすい。こちらは特にクセもない。蚕といえば、日本人にとっては養蚕業がなじみ深いが、今後は“食”としても浸透していきそうだ。

 松本氏は蚕の魅力についても語ってくれた。

「蚕はイイ食材ですよ。タンパク質も豊富ですし、血糖値を下げる効果を持つセリシンが含まれています。おじさん世代にはピッタリかと思います」

 アナタも偏見を捨てて、世界の食糧危機を救う“昆虫食”を食べてみてはいかがだろうか? もしかすると食わず嫌いなだけで、タピオカミルクティー以上にハマるかもしれない。<取材・文・撮影/木田トウセイ>

【木田トウセイ】
テレビドラマお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター

記者がペロリと完食した「イナゴのお茶漬け」は絶品!