アディダス対クライフ、リバプールFC対リバプールなど サッカー界商標闘争の歴史
元イングランド代表MFデイビッド・ベッカム氏が共同オーナーを務める米MLS(メジャーリーグサッカー)のインテル・マイアミは、その商標権を巡ってイタリアのインテル・ミラノと闘争を続けている。英サッカー専門誌「フォー・フォー・トゥー」は、これまでにもサッカー界には商標を巡った争いが起こっていると、過去の例を紹介している。
ベッカム氏が共同オーナーとなり、2018年に設立された「クラブ・インターナショナル・デ・フットボール・マイアミ」は、通称インテル・マイアミと呼ばれ、2020年からMLSに参戦することが決まった。しかし、2014年にイタリアのインテル・ミラノは、米国特許商標庁に「Inter」を商標登録していた。そのため、現在は両クラブ間でその商標を巡って法廷闘争にまで発展すると言われている。
「フォー・フォー・トゥー」誌によれば、インテル・マイアミ対インテル・ミラノ以外にもこれまでのサッカー界には商標を巡った争いが数多くあったという。
最初に紹介されたのは、アディダス社のスリーラインについてだった。当時プーマと契約していた元オランダ代表FWの故ヨハン・クライフは、アディダス社製だったオランダ代表のユニフォームを着ることを嫌い、その象徴とも言える袖の3本ラインを引きちぎっていたという。しかし、単純な3本ラインが商標と認められることはなく、アディダス社は新しいロゴを作って商標登録することになった。
ベイルのゴールパフォーマンスも商標登録問題?
レアル・マドリードのウェールズ代表FWギャレス・ベイルも、サッカー界で商標闘争を引き起こした人物の一人だ。一時期、指でハートを形作ったゴールパフォーマンスが流行ったが、ベイルは2013年にそれを商標登録した。自身の背番号11と結びつけ、「イレブン・オブ・ハート」としてブランド展開を考えていたようだ。これによって、パリ・サンジェルマンのアルゼンチン代表FWアンヘル・ディ・マリアなどがゴールパフォーマンを行うことで、ベイルのブランドを宣伝してしまうという自体になってしまっている。
昨季UEFAチャンピオンズリーグを制して、ナイキ社と大型契約を締結したリバプールFCも商標を争っている。リバプールFCは「リバプール」という街の名前を商標登録しようとしたが、リバプールという都市は一サッカークラブだけのものではなく、ザ・ビートルズを生んだ街でもあることから地理的重要性が高いとして、その商標を認可されることはなくなってしまった。
記事では、その他にもバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに関する商標、バルセロナのロゴに関する商標の闘争などを紹介している。
米国における「Inter」闘争はどのような決着を見せるのだろうか。(Football ZONE web編集部)
コメント