中華圏のアカデミー賞といわれる金馬奨で史上最年少で最優秀新人監督賞に輝き、ロカルノ国際映画祭やナント三大陸映画祭など世界中から絶賛を集めた、若き鬼才ビー・ガン監督の長編デビュー作となる『凱里ブルース』が、制作から5年の時を経て4月18日(土)から日本公開されることが決定。予告映像とポスタービジュアル、場面写真が一挙に解禁された。

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ガン監督の故郷である中国貴州省凱里市を舞台にした本作。小さな診療所で幽霊のように暮らすシェン。刑期を終えてこの地に帰還した彼だったが、帰りを待っていたはずの妻はこの世におらず、また可愛がっていた甥も弟の策略で何処かへ連れ去られてしまっていた。そして甥を連れ戻すための旅に出たシェンは、過去の記憶と現実と夢が混在する不思議な街・ダンマイにたどり着くことに…。

このたび解禁された予告映像では、影や霧を巧みに操るビー・ガン監督のセンスが発揮された映像のなかで、チェン・ヨンゾン演じる主人公のシェンがさまよう姿が映しだされていく。そして映像内には、先日の第92回アカデミー賞で歴史的偉業を成し遂げたポン・ジュノ監督をはじめ、ギレルモ・デル・トロ監督やジョナサン・デミ監督といったオスカー受賞経験者たちの絶賛コメントも。

また日本では本作の公開に先駆けて、一昨年の東京フィルメックスで大反響を巻き起こした長編第2作『ロングデイズジャーニー この世の涯てへ』が2月28日(金)より公開される。中国本土はもちろん北米でも異例のロングランヒットを記録した同作では、父の死を機に凱里に帰還した男が、現実と記憶と夢が交錯するミステリアスな旅に出る物語が展開する。

革新的な後半60分の3Dワンシークエンスショットで話題を集めた『ロングデイズジャーニー』と、後半40分間のワンシークエンスショットに挑んだ『凱里ブルース』。凱里の高低差を生かした地形でのロケや浮遊感あふれるカメラワーク、そして過去と現在を行き来するテーマなど、いくつもの共通点が見受けられる両作を通して、アジア映画界の次代を担う、比類なき才能を目撃してほしい。(Movie Walker・文/久保田 和馬)

制作から5年の時を経て『凱里ブルース』が日本公開!場面写真&予告編が解禁に