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(撮影:小野田麻里)

「繊細な日本人ならではの心の機微をぜひ表現していきたい。せっかく日本キャストが演じるんですから」

そう話すのは、日本初演となるミュージカルアナスタシア』(東京公演/3月1〜28日、東急シアターオーブにて。大阪公演/4月6〜18日、梅田芸術劇場メインホールにて)で主人公・アーニャを演じる葵わかな(21)

20世紀初頭、帝政ロシア時代の皇帝一族が殺されるも皇女アナスタシアだけは生き続けているという歴史上の謎「アナスタシア伝説」をベースに、記憶喪失アーニャが過去を取り戻して、帰る場所を見つける物語だ。

初舞台にして、初ミュージカルに挑んだのは、昨年の『ロミオジュリエット』。堂々とヒロインを好演したが、苦労も大きかったという。

「なんでこんなにお芝居も歌もできないんだろうって、ヘコむ日々でした。知らないことばかりで、自分が当り前だと思っていた“演じる”ということが全部違ったんです。挑戦と挫折の繰り返しでしたけど、ちょっとずつ挑んで前進すると、『よくなったね』という褒め言葉がすごくうれしくて、どんどん欲が出てきました。舞台上で自分を取り巻く音楽でさえ自分で奏でるという点でも、私の演技の概念が広がったし、音楽の力のすごさも実感しました」

今回も、迷い抜いた末に出演することを選択した。

「前回、出演に踏み切らなかったらこの境地には達していないと思いますから、迷ったときにはやるべきだ! と強く思います。いちばん怖いのは、やらなくて後悔するときに人のせいにすることだな、と」

「女性自身」2020年2月25日号 掲載