舞台「改竄・熱海殺人事件」が、3月12日(木)から東京・紀伊國屋ホールで上演される。

【写真を見る】大人っぽい服装で「女優っぽく衣装を決めてみました!(笑)」と兒玉遥

同作品は、つかこうへい氏の没後10年となる2020年に開催される「つかこうへい演劇祭 -没後10年に祈る-」の第二弾。1月から上演されている菅井友香(欅坂46)主演の「飛龍伝2020」、そして命日にあたる7月に上演の「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」との3部作となる。

熱海殺人事件」は、1973年に書き下ろされたつか氏の代表作。何度も再演を重ね、「ザ・ロンゲストスプリング」「モンテカルロイリュージョン」など変化してきた。そして、今回の「熱海殺人事件」では「ザ・ロンゲストスプリング」と「モンテカルロイリュージョン」の二本立てで上演されることに。

「ザ・ロンゲストスプリング」では、部長刑事・木村伝兵衛を荒井敦史、婦人警官・水野朋子を馬場ふみか、刑事・熊田留吉を佐伯大地、容疑者・大山金太郎玉城裕規が演じ、「モンテカルロイリュージョン」では、木村を多和田任益、水野を兒玉遥、刑事・速水健作を菊池修司、大山を鳥越裕貴がそれぞれ演じる。

2019年6月にHKT48を卒業し、女優転向後2本目の舞台出演となる兒玉にインタビューを実施。出演の意気込みや、女優として活動する現在の心境などを聞いた。

馬場ふみかと同じ役

――本格的な舞台への出演は2本目になりますね。

この舞台は女優さんとしてすごく成長できる作品だと思うので、こういった熱量の高いお芝居に参加させていただけるというのはありがたいなと思いました。

今泉佑唯さんが出演した前回の舞台(「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」2019年)を見させていただいたんですが、私が出演した舞台(「私に会いに来て」2019年)とは全然違って、まずとにかくせりふ量が多いなって…(笑)。普段の生活とは全く違う展開のお芝居というか、独特の世界観だと思いました。私にとって新たな挑戦だなと思います。

稽古はまだ始まってないのですが、(台本を読んで)文字だけ見ていたら分からないことがいっぱいあるんですよ。難しくて。そういうところの演じ方や作り方は、(演出の)中屋敷(法仁)さんが考えてくださっていると思うので、分からないことがあったら教えていただいて、今までにない自分を出せたらと思っています。

――今回は二本立てでの上演ということで、馬場ふみかさんと同じ役を演じます。

登場する役は一緒ですが、ストーリーは全然違うので、どちらを見ても絶対に面白いと思います。(馬場さんとは)やっぱり比べられちゃうのかなとは思うんですけど、自分たちのチームもより面白い作品を作り上げていきたいなと思っています。

■ アイドル時代から心掛けていること

――最近は観劇にも行かれているようですが、舞台の魅力って何でしょう?

舞台を見るとパワーをもらえますね。舞台のエネルギーって日常では感じられないくらい、あの空間だけに熱量が集まっているので、私は定期的に見に行くようにしています。元気チャージじゃないですけど、したいなという感じです。

お芝居に触れる機会がドラマや映画だという方は多いと思うんですけど、舞台の表現の仕方などに触れると(舞台って)こんなに面白いんだと気付けることがたくさんあるんです。なので、よりたくさんの方に見ていただきたいです。

――舞台で演じるにあたり、心掛けていることは?

客席の後ろの方にいる人までしっかりと伝わるようにお芝居をしようと思っています。みんな望遠鏡を持っているわけでもないですし(笑)、(後ろの席の人は)近くで感じられるわけではないので、ちょっとしたしぐさとか、もちろん声の大きさも大事ですけど、見に来てくれたみんなに伝わるようなお芝居ができるようにと意識はしています。

――それはアイドル時代に培ったものでもありますね。

そうですね。ライブの時も後ろの方の人まで「見えてるよ!」っていうのが伝わるように、私は一番の後ろの人から手を振るようにしていました。

■ 地元・福岡でも上演

――今回の作品は東京、さらに福岡で上演されます。

そうなんですよ! それを聞いた時は、「地元で公演ができる!」ってすごくうれしかったですね。(HKT48)卒業後は(福岡で)イベントなどはあったんですけど、ステージで自分の作品を見ていただくというのは今回が初めてなんです。

「女優としてこういう活動をしているんだよ」っていうのを実際に見ていただける機会が、福岡では初めてのことなので、そこでアイドルじゃなくて“女優としての兒玉遥”も応援したいと思っていただけるように、しっかり頑張りたいなと思います。

女優として復帰したんだなというのを実感していただきたいですね。やっぱり地元の皆さんに見ていただけるというのは励みになりますから。

HKT48卒業から女優へ…

――女優として充実しているようですね。

楽しいですね。見ていただいた方から感想を聞く時などもすごく楽しいです。

今はお芝居の経験をちゃんと積んで、女優さんとして一人前になりたいという思いが強いです。私がその役を演じているから見に行きたいと思ってもらえるような、そんな女優さんになりたいです。

目標とするような女優さんはいっぱいいるので、いろんな女優さんのお芝居を見て、いっぱい吸収して、その上で自分の個性を出せていければと思っています。

――2019年6月にHKT48を卒業して約8カ月がたちました。振り返ってみて感じることなどありますか?

この女優としての生活にもだいぶ慣れてきて、心地いいです。一人にも慣れましたね。以前はメンバーと一緒にいる時間が長かったので、卒業したばかりの時は一人での時間の使い方が分からなくて。

卒業したばかりの頃は「休みの日だけど今日何しよう?」というの日が多かったんですけど、最近では自分磨きの時間に充てたり、リフレッシュに使ったり、上手に仕事のモチベーションを保ちながら、日常生活も楽しむというのも勉強するようになりました。

お仕事とプライベート、どちらもバランス良く安定していた方が健康でいられるなと感じましたね。

――だいぶ雰囲気が変わり、大人っぽくなりましたね。

今日は女優っぽく衣装を決めてみました!(笑) TPOに合わせておしゃれするのは好きなので、かわいらしい服も着たりします。

でも、前よりも人間らしさは増したかなと思います。以前は、ステージ上にいる“アイドル・はるっぴ”という感じで、常にかわいらしく、キラキラしていたいというイメージが強かったんですけど、女優さんとなってからは演じる役も感情もいろいろあって、怒ったり、泣いたり、時には嫌われ役になったり。そういう部分では、人間味が増したんじゃないかなって思います。

■ 「兒玉遥のイメージを覆すようなお芝居を」

――今後演じてみたい役はありますか?

学生の役です。「また戻るんだ?」って感じですけど(笑)、できるだけ早いうちに学生を演じて、その作品を残したいんです。

年上の役をやらせていただくことは多いんですけど、若く見せるのが無理な時がいずれやってくるじゃないですか(笑)。なので、まだ20代前半のうちに、学生のピュアな心を演じたいですね。

――まだまだ制服を着ていたいと?

1回だけでいいんです(笑)。とにかく作品を残したいなって。

――では、最後に読者へメッセージをお願いします。

この作品の私は、今までの兒玉遥のイメージを覆すようなお芝居をしているので、ぜひ劇場に見に来てほしいです。

ファンの方はもちろんですけど、お芝居(舞台)を見たことがないという人にも、この作品から見ていただければお芝居の楽しさを存分に楽しんでいただけると思います。

一回見てもらえばはまると思うので、まだ舞台を見たことない方にも、劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。(ザテレビジョン

舞台「改竄・熱海殺人事件」に出演する兒玉遥にインタビュー