中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染や肺炎が国内外で広がる中、今夏開催される東京オリンピックパラリンピックが中止になるという偽情報がツイッターで発信された。瞬時に“東京オリンピック中止”という情報が『トレンド』(最新のトッピクス)入りし、5万件超の投稿が寄せられた。大会組織委員会は「そのような事実はありえない」と声明を発表したが、いまだ火消しには至っていない。

「武藤敏郎事務総長はコロナウイルスについて『感染の拡大は(東京五輪)機運の盛り上がりに水を差す恐れがある』としながらも、半年後に迫った東京五輪を中止する計画がないことを強調した。さらに、『国際オリンピック委員会も大会組織委員会と同じ立場だ』と、改めて五輪開催に何ら問題がないことを訴えた。だが、感染源となった中国・武漢で予定されていたボクシングアジアオセアニア予選は中止、会場がヨルダンに変更されている。フェイクニュースの広まりや、こうしたスポーツ大会変更の実例に五輪関係者は明らかに動揺している」(全国紙政治部デスク)

 大会組織委員会と運命を共にしているテレビ局も、止まらない新型コロナウイルスの感染拡大にパニックに陥っている。仮に東京五輪が中止や延期になった場合、経済的損失は30兆円以上と言われているのだ。

「大会招致が決まった2013年から’30年までの18年間で約32兆3000億円の経済的効果があると試算されていた。開催まであと5カ月です。ここからが追い上げになる。競技会場の整備費や警備、輸送を含む大会運営費に、大会観戦者らの支出、企業のマーケティング活動費、スタッフ人件費などの直接的効果が約5兆2000億円。また、訪日観光客数の増加や交通インフラの整備、バリアフリー対策に競技会場の活用やスポーツ人口、イベントの拡大などのレガシー効果が約27兆円にも上る。そこに2兆円近い広告費が世界中から集まるわけです。中止になればゼロです。仮に、延期になっても投資額が増大するだけ。当初の経済的効果は一切見込めない」(財務省関係者)

 問題は五輪効果収益を当て込んでいる各テレビ局

「このご時世だから、民放テレビ局のCMスポット収入は昨年比で4.3%減になると試算しているんです。唯一の救いは東京五輪パラリンピックによるCM出稿効果。金額に換算し1兆円以上。五輪中継のため、新たな機材を購入しスタッフも増やした。すでに投資額は数十億円以上になっている」(民放連幹部)

 民放キー局幹部らが密かに注目している極秘シミュレーションがある。大手広告代理店シンクタンクが東京五輪の中止、あるいは延期になった場合を想定し、一部キー局関係者に公開したものだ。

シミュレーションを読んで思わず背筋が凍りついた。『新型コロナウイルスパンデミックはもはや避けられない』と書かれている。中国政府は4月までにコロナウイルス騒動を収束させると宣言しているが、4月には広州、そのままミャンマーやタイ、インドなどにウイルスが広まる予測なんです。最終地点は医療施設が整っていないアフリカ…。中国の経済も崩壊する想定です。SARSが大流行した時の中国のGDPは1.7兆ドル(約185.3兆円)、世界全体の中でも4.4%しかなかった。現在のGDPは14.3兆ドル(2019年)と約8倍で世界全体のシェアも16.3%(同)を占める世界第2位の経済大国です。しかも、中国にはトヨタホンダ資生堂など日本の大企業がこぞって進出している。昔は『アメリカくしゃみをすると、日本は風邪をひく』と言われたが、いまや『中国が風邪をひくと、日本は熱を出す』といった経済構造です。当然、付随する広告出稿は完全にストップします。このシミュレーションにはアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)も監修に名を連ねており、情報の精度はかなり高いんです」(広告代理店幹部)

 今回の新型コロナウイスル騒動だが、テレビ界で食べている芸能人にも影響が出始めているという。

「今後、海外ロケは基本、中止や見送りになります。実は高視聴率を取っているテレビ番組の半分近くが海外ロケに依存している。日本テレビは『世界まる見え!テレビ特捜部』、『世界の果てまでイッテQ!』、『ザ!世界仰天ニュース』、『ダーツの旅』など4本以上。TBSは『世界ふしぎ発見!』、フジテレビは『奇跡体験!アンビリバボー』、テレビ朝日『世界の村で発見!こんなところ日本人』、テレビ東京YOUは何しに日本へ?』、『世界ナゼそこに?日本人』など。NHKも『ホットスポット 最後の楽園』、『ダーウィンが来た!』など数限りない。結果、番組で現地ロケに駆り出される出川哲朗イモトアヤコ宮川大輔などの仕事はなくなる。必然的にMCの所ジョージビートたけし中居正広バナナマン内村光良福山雅治なども仕事が減っていきますよ」(業界事情通)

 反対に、海外ロケ番組を制作する予算は2〜3倍に跳ね上がっているという。

「一番の問題は出演する芸能人の保証です。実際の患者数がこのまま激増すると、中国でなくても海外のロケ先で罹患する可能性も否定できない。その際の医療体制や補償などをどうするのか? 保険にも入らないといけない。頭の痛い話です」(民放局編成関係者)

 他にも、日々のニュースを扱う報道番組でもトラブルが発生している。

「若手記者は新型コロナウイルスの取材を露骨に嫌がったり拒否する。働き方改革の悪影響ですよ。報道の使命を忘れ、権利を履き違えている若手が増えてしまった。泣く泣く管理職が現場に出向いて取材することになった」(某報道局幹部)

 各方面で損失は膨大だ。