FUJI XEROX SUPER CUP 2020、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)、YBCルヴァンカップとすでに公式戦が開幕。そんな中、J1リーグが最後に開幕を迎える。

超ワールドサッカー編集部が、チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届け。第1弾として、昨季J2・2位の横浜FCを紹介する。

◆補強動向《D》※最低E~最高S

【IN】
GK六反勇治(32)←清水エスパルス/期限付き移籍
GK市川暉記(21)ガイナーレ鳥取/復帰
DF志知孝明(26)←水戸ホーリーホック/完全移籍
DFマギーニョ(28)←川崎フロンターレ/期限付き移籍
DF小林友希(19)←ヴィッセル神戸/期限付き移籍
DF星キョーワァン(22)←駒澤大学/新加入
MF熊川翔(22)←いわきFC(JFL)/完全移籍
MF手塚康平(23)←柏レイソル/期限付き移籍
MF古宿理久(18)←青森山田高校/新加入
MF瀬古樹(22)←明治大学/新加入
MF松尾佑介(22)←仙台大学/新加入
MF安永玲央(19)←カターレ富山/復帰
FW一美和成(22)←ガンバ大阪/期限付き移籍

【OUT】
GK辻周吾(22)→愛媛FC/完全移籍
GK大内一生(19)→Y.S.C.C.横浜/期限付き移籍
DF田所諒(33)→現役引退
DF北爪健吾(27)→柏レイソル/完全移籍
DF乾大知(30)→松本山雅/完全移籍
MF山本凌太郎(21)Y.S.C.C.横浜/完全移籍
MF渡邊一仁(33)→愛媛FC/完全移籍
MF前嶋洋太(22)→水戸ホーリーホック/期限付き移籍
FW立花歩夢(24)→退団
FW戸島章(28)→大宮アルディージャ/期限付き移籍




13年ぶりのJ1に挑戦する横浜FCは、新人が4名、期限付き移籍が6名、完全移籍獲得が2名という状況。正直なところ、戦力補強という点では厳しいものとなった。

レンタル組では、日本代表歴もあるGK六反勇治(←清水エスパルス)やU-22日本代表のFW一美和成(←ガンバ大阪)に加え、DFマギーニョ(←川崎フロンターレ)、MF手塚康平(←柏レイソル)といったJ1経験者も確保。また、引く手数多だったDF志知孝明(←水戸ホーリーホック)を完全移籍で確保した。

また、新人では昨シーズンは特別指定選手として21試合6ゴールを記録したMF松尾佑介(←仙台大学)、大学3冠を達成したMF瀬古樹(←明治大学)、全国2位になったMF古宿理久(←青森山田高校)を獲得している。

しかし、このチームの最大の弱点は高齢化だ。GK南雄太(30)、MF松井大輔(38)、MF中村俊輔(41)、MFレアンドロ・ドミンゲス(36)、FW三浦知良(52)と35歳以上の選手が多く在籍。J1の舞台でフルシーズン戦えるかは未知数だ。

即戦力が少ない補強となった中J1残留を果たせるのかに注目だ。

◆前回失敗した残留を果たせるか《残留》
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13年前のJ1昇格を知るのは三浦知良のみ。当時は1年でJ2降格を味わうこととなっただけに、今シーズンの目標はまずは残留となるだろう。

前述の通りベテランが多くいるということは、経験があるということの裏返し。J1での戦い方を知っている選手も少なくない。チームとしてのバランスをしっかりと保って行けるかが重要となるだろう。

しかしながら、やはり厳しい闘いの連続となるだろう。油の乗った20代半ばから30代前半の選手はJ1の経験が多くはない。昨シーズンは後半戦に驚異的な勝ち点を積み上げたことで自動昇格を掴んだものの、スタートダッシュには大きく失敗。最初の10試合で4勝1分け5敗と負け越しており、今シーズンも同じようなスタートとなると残留も厳しくなるだろう。

下平隆宏監督としては、柏時代にJ1での指揮経験があるが、チームの構成は大きく違う。昨シーズン途中から率いる横浜FCをしっかりと残留に導けるか。選手起用を含めたその手腕にも期待が懸かる。

◆超WS編集部イチオシ選手
MF手塚康平(23)
©︎J.LEAGUE

イチオシ選手は柏からレンタル移籍で加入してきたMF手塚康平だ。柏ユース出身の手塚は、下平監督の下でプロデビュー。2017シーズンに頭角を現わすも、右ヒザ前十字じん帯損傷、右ヒザ外側半月板損傷の重傷を負ってしまった。

2018シーズン途中に復帰するもチームは降格。昨シーズンは横浜FCとともにJ1昇格を争っていた。

下平監督の下で再びプレーする機会を得た手塚は、当時の輝きを取り戻せるかに注目。左足の強烈なキックの他、ゲームメイクできる力を持ち合わせており、ベテランが多いチームにおいても中心となってプレーすることが求められるだろう。レンタル移籍ながら、チームをJ1に残留させるためにフルシーズンプレーできるかがカギとなる。

◆注目の東京五輪世代!
FW一美和成(22)
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夏に予定されている東京オリンピック世代の選手としてピックアップするのは、FW一美和成だ。ガンバ大阪の下部組織で育った一美は、昨シーズンは京都サンガF.C.で武者修行。J2リーグで36試合に出場し17得点を記録し、今シーズンは横浜FCへと貸し出された。

2019年にはU-22日本代表にも選出され、年末のジャマイカ戦では途中出場ながらゴールを記録。G大阪時代にはJ1でゴールを決めていない一美が、横浜FCでJ1初ゴールを記録するか。チームを牽引する活躍を見せれば、オリンピック出場も夢ではない。
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