株式会社ファイバーゲートが、「QUOカード」の株主優待を「プレミアム優待倶楽部」のポイントに変更することを、2020年2月14日に発表した。

 ファイバーゲート株主優待は、毎年6月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上保有する株主に、保有株数と継続保有期間に応じて『QUOカード』を贈呈」というものだった。

 今後は、以下の3点が変更される。

(1)株主優待品が従来の「QUOカード」から「プレミアム優待倶楽部」のポイントに変更される。

(2)株主優待の対象となるのが、従来の「100株以上」から「300株以上」の株主となる。

(3)基準日が従来の「6月末」の年1回から、「6月末」と「12月末」の年2回に変更される。

「プレミアム優待倶楽部」とは、付与された株主優待ポイントを、専用サイトを通じて、食料品や電化製品、ギフト、旅行・体験など3000点以上の多彩な商品の中から、好きなものと交換できるシステム。ここ数年、株主優待として導入する企業が増加している。

 この株主優待の変更は、2020年12月末時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用される。2020年6月末については、変更前の基準で実施されるため、「QUOカード」が贈呈される。

ファイバーゲートの株主優待制度の詳細は?

(変更前)
基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容
6月末 100株以上
1000株未満
1年未満 QUOカード2000円分
1年以上 QUOカード3000円分
1000株以上 1年未満 QUOカード3000円分
1年以上 QUOカード4000円分
備考 ※保有期間1年以上の株主とは、株主名簿基準日(6月30日および12月31日)の
 「株主名簿」に連続3回以上記載された同一株主番号の株主を指す。
(変更後)
基準日 保有株式数 株主優待内容
6月末・
12月末
300株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
2500ポイント(×年2回)
※継続保有期間が2年以上だと、
 もらえるポイントが1.1倍になる(以下同)
400株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
3500ポイント(×年2回)
500株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
5000ポイント(×年2回)
600株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
7500ポイント(×年2回)
700株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
1万ポイント(×年2回)
800株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
1万2500ポイント(×年2回)
900株以上 プレミアム優待倶楽部のポイント
1万5000ポイント(×年2回)
備考 ※ポイントは、次年度へ繰り越すことができる(ポイントは最大2年間有効)。
※2020年12月末を開始日として2年以上にわたって株式を保有する場合、
 1.1倍のポイントを受け取れる。
※ポイントを繰り越す場合、次回の権利確定日時点の株主名簿に
 同一の株主番号で記載されていることが条件になる。

ファイバーゲートの株主優待利回りは?

 ファイバーゲートの2020年2月17日の株価(終値)は1272円なので、株主優待利回りを計算すると、以下のようになる(※変更前は、継続保有期間を1年未満と仮定。変更後は継続保有期間2年未満で、年2回、株主優待を受け取ると仮定。ポイントは1ポイント=1円として計算)。

【変更前】
(100株保有の場合)
投資金額:100株×1272円=12万7200円
優待品:QUOカード2000円分
優待利回り=2000円÷12万7200円×100=1.57%

投資金額:1000株×1272円=127万2000円
優待品:QUOカード3000円分
優待利回り=3000円÷127万2000円×100=0.23%

【変更後】
(300株保有の場合)
投資金額:300株×1272円=38万1600円
優待品:プレミアム優待倶楽部のポイント5000円相当
優待利回り=5000円÷38万1600円×100=1.31%

(400株保有の場合)
投資金額:400株×1272円=50万8800円
優待品:プレミアム優待倶楽部のポイント7000円相当
優待利回り=7000円÷50万8800円×100=1.37%

(500株保有の場合)
投資金額:500株×1272円=63万6000円
優待品:プレミアム優待倶楽部のポイント1万円相当
優待利回り=1万円÷63万6000円×100=1.57%

(600株保有の場合)
投資金額:600株×1272円=76万3200円
優待品:プレミアム優待倶楽部のポイント1万5000円相当
優待利回り=1万5000円÷76万3200円×100=1.96%

 ファイバーゲート株主優待は、個人投資家に人気の「QUOカード」だったが、同じく人気が高い「プレミアム優待倶楽部」のポイントに変更されることになった。今回の変更により、株主優待の権利獲得に必要な最低株数が100株以上⇒300株以上とハードルが高くなったものの、保有株数が増えるたびに株主優待利回りもアップしていくようになったので、変更を歓迎する投資家も多そうだ。なお、同社は2020年6月期の配当予想を、現段階では「無配」としている。

 ファイバーゲートは賃貸物件に向けたレジデンスWi-Fi事業、商業施設、訪日外国人、商業用バスなどに向けたフリーWi-Fi事業を手掛ける企業。本社は札幌市。2020年6月期(通期)の連結業績予想は、すべて前期比で売上高26.9%増、営業利益14.3%増、経常利益19.5%増、当期純利益21.6%増と、好調な推移を見込む。

ファイバーゲート
業種 コード 市場 権利確定月
情報・通信業 9450 東証1部 6月末・12月末
株価(終値) 必要株数 最低投資金額 配当利回り
1272円 300株 38万1600円
※株価などのデータは2020年2月17日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。
ファイバーゲートは集合住宅や商業施設などに向けてWi-Fiサービスを提供する企業。