eyeball-3235020_640_e

StefanKW/pixabay

 20年前に視力を失い、長い間光が見えない世界で生活してきた男性に奇跡と呼べる出来事が起こった。交通事故に遭った後に、視力が回復したのである。

 現在、その男性は治療を受けた病院で警備員として働いており、普通に生活ができるようになったことで人生が大きく変化したと、大きな喜びを語っている。

―あわせて読みたい―

目が悪い人でも裸眼でくっきり見える”視力矯正ディスプレイ”の開発に成功(米研究)
長い間の昏睡状態から目覚めた10人の奇跡の物語
盲目の女性、特殊なメガネを使用してずっと誘導してくれている盲導犬を見た時の反応
視覚障害を持つエンジニアが開発したスマート白杖、先端テクノロジーで歩行をサポート
脳に直接信号を送る「視覚インプラント」で6年ぶりに光を取り戻した女性(スペイン研究)


Po wypadku odzyskał wzrok

アレルギーの副作用で視力を失う

 ポーランドのルブシュ県ゴジュフ・ヴィエルコポルスキに暮らすヤヌシュ・ゴラジさんは、20年ほど前に重度のアレルギー副作用が原因で視力を失った。

 ヤヌシュさんの左目は完全に見えなくなり、右目はぼんやりと影と光を認識できるだけになってしまった。

 ほぼ完全な暗闇の中で生活することに馴れていたヤヌシュさんだったが、2018年に交通事故に遭い、人生が大きく変わった。

man1_e0

image credit: youtube

事故後、視力が奇跡的に回復


 2018年のある日、ヤヌシュさんは横断歩道を渡っている時に車にぶつかられる交通事故に遭った。

 激しい衝撃で、ヤヌシュさんは道路のアスファルトに頭を打ち付け、股関節にも損傷を与えられ、手術を要したほどの怪我を負った。

 しかし、治療と回復のために数週間入院していたヤヌシュさんがある朝起きて目を開けた時、今までと違うことに気付いた。

 影や光以上に、ものが見えるようになっていたのだ。

 事故前よりも視界がクリアになったことに驚きとショックを受けたヤヌシュさんは、そのことを医師に伝えた。しかし、医師には視力回復の原因を突き止めることができなかった。

投与されていた抗凝固剤の副作用の可能性か?

 地元メディアによると、病院の広報担当の話ではヤヌシュさんの視力は2週間以内に回復したという。

 何が原因かはわからないが、治療中にヤヌシュさんが投与されていた複数の薬の副作用によるものかもしれないと病院側は推測しているそうだ。

 この奇跡ともいえる出来事が起こったのは2018年だが、今年1月に大手サイトが取り上げたことで、ヤヌシュさんは注目を浴びた。

 今でも、ヤヌシュさんが見えるようになった原因は明らかになっていない。一部専門家は、視力回復は事故そのものとは関係がなく、治療の間に他の薬と混合された大量の抗凝固剤が原因である可能性を示唆している。

事故後の人生の変化に喜ぶヤヌシュさん

 その後、ヤヌシュさんは普通の生活を送れるようになった。現在、彼は治療を受けた病院で警備員として働いているという。

man2_e0

image credit: youtube

man3_e0
image credit: youtube

 奇跡が起こった視力回復について、ヤヌシュさんはこのように話した。

病院のベッドに横たわっていて、再び視界に光が見えた時は感動しました。医師は原因を説明することができませんでした。

退院日、病院から出たら路上に人が歩いているのが見えました。車のナンバープレートも、電話のメッセージも読めるようになっていました。

私の人生は変わったのです。


 ヤヌシュさんは、この奇跡の謎を解決するのを助けるため、医療研究に参加することを医師らに薦められたが、拒否したということだ。

References:polsatnewなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52287879.html
 

こちらもオススメ!

―人類についての記事―

脳のごくわずかな領域に「意識のエンジン」が発見される(米研究)
人間の脳は自分が信じている考えを正当化するためにデータを歪めて記憶する(米研究)
知名度を上げたかった。3つの教会を放火したブラックメタルのミュージシャン(アメリカ)
限られた人にのみ発現するスーパーパワー(特殊能力・特殊体質)の種類とその発生確率をまとめた動画
免疫細胞は周りの仲間の様子を見てから外敵に攻撃を仕掛けるかどうかを決めていた(米研究)

―知るの紹介記事―

仲間探して3千里以上。14020kmもの距離をたった1匹で旅した孤独な狼の物語(アメリカ)
犬専用の移動販売車が登場。散歩中の犬たちに手作りの犬用おやつを(アメリカ)
原型をとどめていない!シボレー車を狙った窃盗犯の盗みっぷりがすごい(アメリカ)
スーパーボウル会場で大量に余った未使用の食料を地元救済施設へ寄付される(アメリカ)
「うまいよこれ!」家庭菜園の野菜をカメラ目線でおいしそうに食べるウッドチャック(アメリカ)
20年間目が見えなかった男性が、交通事故後に視力を取り戻すという奇跡(ポーランド)