すごい本が出た……。手にとってページをめくっていくたびに感嘆の声が漏れた。昭和から平成、そして令和に登場した羽根モノが実に777機種+α。1つの時代を築いた名機から、日の目をほとんど見ることなく埋もれていった台まで、そこにはパチンコ文化の礎と編集者、そしてライターたちの熱量が詰まっていた。

 羽根モノは「パチンコ本来の楽しさがある」。そんな言葉で形容されるジャンルパチンコ台だ。チャッカーに入賞し、役物の羽根が開く。拾われた玉が役物内でコミカルに動き、Vゾーンへ入賞すれば見事大当りとなる。この大当りまでの一連の流れ、玉の動きを大の大人が一喜一憂しながら見つめるのだから、ある意味おかしな存在である。

 記者がパチンコを打ち始めたのはかれこれ25年前。麻雀物語ダイナマイトなど、連チャン現金機が一世を風靡した時代である。まさにホールは鉄火場。朝の並びなど、今からは想像も付かないほどに荒れていた。そんな鉄火場のホールで、オアシスのような存在だったのが羽根モノコーナーだった。ページをめくる……。あ~こんな台あったな! この台を打ち止めしたおかげで仕送りまで何とかなったな……。そんな思い出が、それこそ走馬燈のように駆け抜けていった。

パチンコメーカーは今こそオリジナルキャラを!

 羽根モノの“顔”はやはり顔である。さまざまなキャラクターが登場し、ゲーム性を作り上げているそこには流行や当時の時代を映し出すものも珍しくない。例えばJリーグ開幕の年には、多くのサッカーモチーフにした羽根モノリリースされた。ストライカージュンニューギン)やキックエース(西陣)のようにモチーフにするくらいならまだしも、Kリーグ2(京楽)、JJリーグ2(豊丸)など、もう、そのまんまやんけ!と、思わずツッコミを入れたくなる台も多数あった。こうした「パクリ的」な台を見るにつけ、パチンコ文化の神髄に触れるような気がしてくるのはオールファンの私だけではないだろう。

 最近の台は90%がタイアップである。タレントアニメ、映画やドラマと、もはや使われていないコンテンツはないのでは……とすら思うくらいさまざまなタイアップ機種がリリースされる。メーカーの色は哀しいかな、あまり感じられることはない。私はこの『羽根モノ大全』を読んで、強く感じたことがある。それは、今こそパチンコメーカーオリジナルキャラを使った台を出すべきだと。

 京楽の玉ちゃんやたぬ吉、大一のゴリコップ藤商事の藤丸くん……。今やメーカーの顔となったキャラクターは、羽根モノから生まれたものが多い。今、パチンコは過渡期を迎え、岐路に立っている。だからこそメーカーは新たな顔となるヒットキャラクターを生み出すべきではなかろうか。

追記
できることなら連チャン羽根モノはやめて、オール10の継続式羽根モノ、そして小箱を復活させてもらいたい。

取材・文/ハセガワダイスケ(SPA!本誌)

ハセガワダイスケ
SPA!本誌編集、日刊SPA!ではギャンブルコーナー「勝SPA!」を担当。パチンコ攻略誌で編集者としての人生をスタート。その後、バー経営、エロ本編集長を経てSPA!編集部に流れ着く。生まれて初めて打った台は羽根モノの名人会GPA(三共)。そして最も愛した羽根モノは湘南物語(ニューギン)。