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 野生生物が大量に死骸となって発見された時には、人間に感染の可能性がある病死なども原因として考えられることから、深刻な調査が行われることが多い。

 イギリスウェールズで、去年12月に255匹のムクドリが路上で死んでいるのが発見された時も、英環境食糧農業省(DEFRA)は様々な可能性を推測し、死因を詳しく調査してきた。

 そして2か月経った現在、ようやくその謎が解明できたと発表された。

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去年12月に大量のムクドリの死骸が路上で発見

 ウェールズ北西岸に接するアングルシー島で、2019年12月11日の午後、奇妙な出来事が発生した。

 255羽のムクドリが、いっせいに路上で死んでいるのが発見されたのだ。

 当初、ハンナスティーヴンスさんはその道路を通りかかった時、上空に大量のムクドリが群れを成して飛んでいるのを見たという。

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image credit: youtube

 しかし、1時間後にその場所を再び通りかかると、路上に大量の死骸が落ちていた。

 通報を受けた北ウェールズ署の野生生物チーム「North Wales Police’s rural crime team」や、環境食糧農業省(以下DEFRA)の専門家が駆け付け、毒の痕跡やその他の死因をその場で特定しようとしたがわからず、死骸を持ち帰り調査を行っていた。

警察、「ミステリー」とTwitterでシェア

 地元警察によると、過去にもムクドリの大量死が発見されたことがあったそうだ。しかし、今回のムクドリの大量死は「完全にミステリー」とし、調査が続行されていることをTwitterでも報告していた。


 ムクドリの死骸は、そばの野原には全くなく、野原の間にある路上に落ちて死んでいたのだ。

 当初、警察では最も可能性の高い説明として、「ムクドリは恐らく猛禽類のような大型の捕食者から回避するために、飛行のコースを突然変え、道路に激突したのではないか」と述べていた。

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image credit: youtube

 ムクドリは全長21cmほどの小型の鳥で、群れで活動し、「murmuration」と呼ばれる大量で舞う飛行を見せることでも有名だ。

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image credit: youtube

 しかし、この飛行は、必ずしも上空でのみ行われるのではなく、地面に近い場所でも見られる。そのために、地面に激突した可能性が高いと示唆されていた。

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image credit: youtube

ついに死因の謎が解明される


 大量墜落死の発見から約2か月の間、ネット上ではムクドリの死因について、「5Gの電子信号が原因」「毒死」といった声が飛び交っていた。

 しかしついに2月14日、これまで多くの潜在的な原因追究のための検査を行ってきたDEFRAは、毒性検査が完了したことを発表した。

 スポークスマンによる発表は次の通りだ。

研究所の見解は、鈍的外傷が主な原因であるとしています。ウイルス学、細菌学、組織病理学の検査を全て実施したところ、鳥インフルエンザは除外され、感染症の証拠はないと断定しました。

 ムクドリが、何かに激突し、その衝撃で死んでしまったということになるようだが、何によって鈍的外傷を受けたのかということまでは発表されていないため、再びネット上では「もやもや感が残る」といった声が寄せられている。

 ちなみに、ムクドリが大量に舞う映像はこちら。

Unbelievable Starlings

追記(2020/02/19)本文、タイトルを一部訂正して再送いたします。
References:NorthWalesLiveなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52287995.html
 

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