アドビは、2020年2月19日Photoshopが30周年を迎えたことを発表した。

バージョン1.0リリース前のPhotoshopが初めてジェームズ・キャメロン監督の映画「アビス」(原題:Abyss)の視覚効果制作に使われて以来、CS2で登場した「修復ブラシ」から「コンテンツに応じた塗りつぶし」(英語)の機能を搭載。

2016年にAdobe Senseiの人工知能(AI)とマシンラーニング(機械学習)を取り入れて「被写体を選択」(英語)を含む機能を搭載した。また、Photoshopは2019年にアカデミー賞(英語)を受賞し、iPadをはじめとする新しいデバイスにも範囲を広げてきているという。

また、30周年を記念して、デスクトップ版とiPad版両方の新機能を発表した。アップデートの内容は以下の通り。

Photoshopデスクトップ版の新機能

■コンテンツに応じた塗りつぶしのワークスペース改善

ワークスペースを離れずに複数の選択範囲を作成し、複数の塗りつぶしの適用が可能。これにより、「OK」をクリックして結果を確定させる前に、塗りつぶしの細かな調整や試行をできるようになる。また、今回のリリースでは、すべてのレイヤーを対象としたサンプル領域の指定を、コンテンツに応じた塗りつぶしワークスペース内で完結できるという。

■「ぼかし(レンズ)」の強化

ぼかし(レンズ)の出力品質とパフォーマンスを改善し、処理をGPUで実行するようになる。これにより、写真の前景、背景、またはその中間の領域を対象にぼかし(レンズ)による画像効果を、適用した際のシャープネスや境界部分などを含む被写体の画質が大幅に向上した。

■macOSのダークモードのサポート

macOS Catalinaの機能のひとつのダークUIのサポートをPhotoshopに追加。「ファイル/開く」や「ファイル/保存」メニューコマンドで表示されるようなシステムダイアログボックスは、macOSの設定に従い表示されるようになる。

Photoshop iPad版の新機能

Photoshop iPad版に第2弾の新機能追加が行われた。2019年のMAXでPhotoshopデスクトップ版に導入された「オブジェクト選択ツール」(英語)が、オプションと設定もそのままにiPadに搭載された。複雑なイメージの選択処理をより細かく制御できるように設計されている。

また、文字の書式設定が改善され、Photoshopデスクトップ版で使い慣れた文字の書式設定の多くをiPad版に搭載。また、テキストレイヤープロパティに文字関連のオプションとプロパティを追加した。

Photoshop iPad版は、Photoshopデスクトップ版と同一のコードベースで開発されており、デスクトップ版に搭載された機能と同等の新機能を速やかに追加可能。今後、デスクトップ版の新機能は、iPadに向けて最適化し、タッチ操作とモバイル環境の恩恵を受けられるように再構築でき次第、今後もiPad版に追加予定だという。

アドビ、30周年を迎えたPhotoshopアップデートを発表。コンテンツに応じた塗りつぶしや「ぼかし(レンズ)」機能を改善