いよいよ最初のターニングポイント迎えるTVアニメ「プランダラ」。Web Newtypeでは放送をさらに盛り上げるべく、スタッフ&キャストのリレーインタビューをお届けします。

第6話に登場するペルモ

第2回はリヒトー=バッハ中島ヨシキ×陽菜役 本泉莉奈×リィン=メイ役 小澤亜李による鼎談。アニメオリジナルエピソードの第7話の放送を迎えた3人にお話を伺いました。

――原作の「プランダラ」をお読みになったときの印象を教えてください。

本泉 原作を読んだときに、すごく読みやすかったので、そのとき出ていた原作11巻分をだーっと全部読んじゃったんです。この作品ではキャラクターがよく涙を流すんですよね。この涙の意味が、読み進むにつれてわかってくるんです。想像以上に深い意味が込められているなと思いました。

小澤 お話の深みがすごくて。最初のギャグをしているキャラクターの印象と、その後いろいろ解き明かされてからのキャラクターの印象は、別作品かな? と思えるくらい、いろいろな魅力が詰まっている作品だと思います。原作を手に取ったら、すぐに最後まで一気に読みたくなる、おもしろい作品です。

中島 僕はオーディションを受ける作品は、オーディションの前にあまり深く読み込まないようにしているんです。でも、後半のセリフもオーディション原稿にあったので、先まで読まないといけないなと思って原作を手に取ったら……その時点で出ていた単行本を全て一気に読んでしまいました。作品に愛着が沸いてしまって、オーディションに落ちたらどうしようとちょっと後悔しましたね(笑)。しかも、続きが気になるんですよね。この物語はどんどん展開していくので、単行本やアニメで見ている話数と、掲載雑誌の「少年エース」で描かれている最新話での状況が全然違う。ぜひ、アニメをご覧になっている方も、あらためて第1話を振り返っていただくと全然違う展開になっていることに驚くはずです。

――この記事が掲載される時点では第7話です。ここまでの展開を、みなさんはどんな印象でご覧になっていますか?

中島 第6話で陽菜は目の前でペルモさんが「アビス送り」にあうところを見ているんですよね。おそらく母親が「アビス送り」になって以来のことだったと思います。

本泉 そうですね。ちょっと衝撃の展開でした。ペルモさんが地中に引きずり込まれるときに「またね」って言うんですよ。この時点では「またね」意味がわからないと思うんですけど、この先の展開が起きた後だと、その意味がわかるんです。原作を読んでいる私は「わーっ!」となりました。ぜひ、アニメでも繰り返し見てほしいシーンですね。

中島 第6話の収録はキャストも少人数で……かなり掛け合いが多くて。

本泉 キャスト少なかったよね……たしか5人……!? 

中島 ペルモさんを遠藤綾さんが担当してくださって。台本の香盤表(出演者リスト)を見て、ビビりました。豪華な先輩方が参加してくださるところも、このアニメ「プランダラ」の魅力だと思います。ペルモさんは第6話限りの登場だったんですが、世界観を明らかにするすごく重要な役を演じてくださいました。リヒトーもなぜかペルモさんにはセクハラをしないんです(笑)。

本泉 そうだったね(笑)。

中島 ペルモさんは飛行機を研究しているんです。アルシアでは空を飛ぶという行為は大罪なんですが、それはなぜだ、と。じゃあ、リヒトーは「撃墜王」と呼ばれているけれど、飛行機に使う「撃墜」ということばを使っているのは、なぜなんだと。気になる要素を示してくれるエピソードでしたね。この世界は一体どうなっているんだろうと気になりますね。

小澤 説明が上手だなあ! 私たち、もう何も言えないよ!(笑)

中島 もう、またそんなことを言って!

一同 笑。

――ここまでのリヒトー=バッハの印象はいかがですか?

本泉 リヒトーは困ったときに助けてくれるメチャクチャかっこいいヒーローなんですが、それだけじゃない。ときどき見せる優しい表情や、伏し目がちに先の展開を予感しているのに、みんなを支えてくれたりするところがあって。その奥深さが彼の魅力だなと感じています。誤解されがちですけど、かっこいい人なんです!

中島 誤解されやすい人ですよね。着ぐるみ着てたり、初登場がギャグシーンだったり……。陽菜と初対面のときのセリフは「お金クダサイ」ですからね(笑)。マイナスからの出発なので、あとは上がるだけです!

小澤 リヒトーって女の子にグイグイ来るじゃないですか。でも、追わせてくれないんです。すごく優しいし、助けてくれるけど、近づかせてくれない。リヒトーってどういう人なんだろうと、ミステリアスな感じがする。モテ上手な男性だと思います。

――第7話までの陽菜の印象はいかがですか?

本泉 陽菜ちゃんは世間知らずで、流されやすかったり、見ていて危なっかしいところが最初は前面に出ていたと思います。でも、第7話まで行くと、実は「サバイバル能力がすごいよ」というギャップが見えてきたり、芯の強さが見えてきていると思います。第7話はオリジナル回ということもあって、陽菜の魅力がたくさん詰まっていましたね。

中島 陽菜は5年間ひとりで旅を続けているわけですよ。なんのあてもなく、お母さんの遺言だけを頼りに。それをあらためて考えながら、第1話を見直すと、ダビに陽菜はあっさりと騙されているように見えますけど、彼女はそれだけ必死に「撃墜王」を捜していたということなんですよね。語られていない過去を含めて、キャラクターを見直すと、それぞれの行動に違う意味が生まれてくるんだなと感じましたね。

小澤 最初、陽菜のかわいらしさが印象的で。話数が進むにつれて成長も変化もしているんだろうけど、本質的に持っている柔らかさが素敵だなと思います。あと、人を好きになることで強くなっていく女性であることも魅力のひとつだなって感じています。

――そして第3話で登場するリィンについてはいかがですか?

小澤 リィンの魅力は……見たままですよね(笑)。

一同 笑。

小澤 見た目と魅力が一致しているキャラクターです。行動も気持ちも一貫している女の子なので、物語が激動の展開になっても、リィンの本来持っている良さをそのまま出していければなと思っています。部下のペレには「そんなに言う?」みたいなくらいイジられていますけど……でも、原作を読んでいてペレの本当の気持ちがわかったときに、全て納得できました。

中島 あれはすごかったね。ペレはそんな気持ちで、リィンをイジっていたんだって(笑)。そこを知りたい方はぜひ、原作をお読みください。

――中島さんと本泉さんはリィンにどんな印象をお持ちですか?

中島 お色気シーンを全部引き受けてくださって、ありがとうございます!

本泉 どんな子ども時代を過ごしたら、こんなに真っすぐな人になるんだろう? と思うくらいの真っすぐさですよね。

中島 「カウント」のルールが「良いことをした数」ですからね。それがすごいですよね。本当にいい子だと思います。でも、正ヒロインの陽菜がいて、そこに現れる新ヒロイン・リィン……言ってしまえば「当て馬」じゃないですか。

小澤 そこまで言う!?

中島 でも、「プランダラ」は「当て馬」では終わらないんですよ。そこがこの作品の魅力です!

――ふたりのヒロイン、陽菜とリィンのお料理バトルが行われる第7話の印象はいかがでしたか。

中島 第7話は原作にない、オリジナル回でしたが、リィンとペレ側、陽菜とナナ側という、今まで別々に進んでいた物語がひとつに交わる重要なエピソードになっていましたね。原作を補完するという意味もありましたし、純度100%のギャグ回としても楽しかったですね。

――皆さんは陽菜とリィンのどちらを応援したいと思いますか?

中島 やっぱりリィンですよね。

小澤 ですよねえ!

本泉 リィンさんの節約した家庭的な料理はめちゃくちゃ好感がもてます。低予算だけど美味しい、って本当にすごいことだと思います。

中島 でも、陽菜の料理は無料だよ。

本泉 サバイバルの自給自足という意味でね。陽菜の料理は、生きる術としての料理ですから……。

中島 美味しさとか、関係なさそうだからね。陽菜の料理は「蛇の生き血をすすってでも生きる」みたいなことだからね。

小澤 ははは(笑)。でも私はジビエが好きだから、陽菜ちゃんに一票。

中島 自分としては、リィンに100票ですね。陽菜のジビエは美味しいのかどうかわからないですからね。素手で肉をさばいてますからね。放送でモザイクが入るんじゃないかと思いました(笑)。

本泉 エンディングでは陽菜がこれまで旅している姿が描かれているんですけど、あの描かれていないところで、陽菜がサバイバルをしていると思うとすごいですね。

――陽菜とリィンの料理バトルの結果は第7話で描かれているので、ぜひ見ていない方は配信などでチェックしてほしいですね。

中島 そうですね。いや、楽しかったな……ここまでは(笑)。

本泉 そうなんですよね。ここまでは本当に楽しかった。

小澤 第8話以降は、第7話までのギャグシーンが懐かしくなってくる感じがあるんですよね。

中島 第8話からはどんどんシリアスになっていきますからね。これまで描かれていた世界観が覆されていくターニングポイントになると思います。ここから先は、第7話まで描かれた謎の解答編という感じがあると思うので。ここまでご覧になった方はぜひ、この先も見届けていただきたいですね。

――ちなみに、予告編は毎回、かなりハジけた内容になっていますが、第8話以降の予告編はシリアスな内容になるんですか?

中島 そこは完全にギャグでやっています。あの~、皆さん、予告を真に受けないでくださいね(笑)。第8話以降は息が詰まる展開になっていきますが、予告で息を抜いて見て欲しいなと思っています。

本泉 エンディングで癒されて、予告編で楽しい気持ちになって、次の話を期待してほしいです。

小澤 しんどい展開もあるかもしれませんが、予告編まで見ると、楽しい気持ちになると思います!(WebNewtype・【取材・文:志田英邦】)

TVアニメ「プランダラ」よりリヒトー=バッハ役の中島ヨシキさん、陽菜役の本泉莉奈さん、リィン=メイ役の小澤亜李さん