メラニン色素を生成するメラノサイトががん化して発生する悪性黒色腫(メラノーマ)は、本人が気づかないままがんが末期に進行していることが多く、皮膚がんのなかでも最も悪性度が高いと言われている。そんななか、小麦色の肌に憧れ長年「日焼けベッド」を使用してきたイギリス人女性が、メラノーマを発症し左耳を失った。女性は数日前、がんが臓器に転移していることを告知されており、「日焼けベッドの使用は今すぐ禁止すべき」と訴えている。『The Sun』『Mirror』などが伝えた。

グレーター・マンチスター州ウィガン在住のアンシア・スミスさん(Anthea Smith、43)が初めて日焼けベッドを使用したのは29年前、14歳の時だった。アンシアさんの母は夏になると日焼けベッドレンタルして家に置き、家族みんなが競って利用した。短時間で簡単に小麦色の肌になれる日焼けベッドに魅せられたアンシアさんは、結婚し2児の母になってもサロンを利用するなどして肌を焼き続けた。

そんなアンシアさんが左耳表面に小さな赤い点を発見したのは2010年、33歳の時だった。かかりつけ医に見せると「それはいぼだ」と言われ、その後も何度か痒みなどを訴えて同じ医師の診察を受けてきたが「いぼだから全く心配ない」という診断は5年間変わることはなかった。

しかし2014年10月、子宮頸がんの検査で訪れた病院の看護師が、アンシアさんの向こうずねの皮膚の表面に異常があることを発見し、アンシアさんは皮膚科を紹介された。その後行われた脚の病変の検査では異常が見つからなかったが、この頃にはアンシアさんの左耳の小さな点は黒色に変わって広がり始めており、心配した皮膚科医は2015年4月、形成外科医の診察を受けるように勧めたのだった。

アンシアさんはその頃のことを、次のように振り返っている。

「左耳にできたほくろのような塊は、かかりつけ医が心配ないというのでそれほど気にしていなかったのです。でもそのうち赤い点が黒く変わり、形成外科医の診察を受ける頃にはイヤフォンをするたびに左耳から出血するようになりました。耳が何かに触れても出血するし、朝起きると枕に血が付いていることもありました。」

「当時は自分の汚い耳を見られたくなくて、髪型を変えて隠していました。そうしているうちに左耳の表面が隆起して、黒いいぼ状の塊が表面を覆うようになったのです。」

こうして形成外科医のもとを訪ねたアンシアさんは生検組織診断を受け、2015年7月にステージ3のメラノーマと診断された。同年8月と11月の2回の手術では、左の外耳、内耳、耳珠、リンパ腺、唾液腺、側頭が切除され、左耳は全く機能しなくなった。がんは皮膚だけでなく深い組織へと浸潤しており、アンシアさんはこれまで32回の放射線療法に耐えてきたが、バランス感覚を失い、顔の感覚も麻痺するようになった。

そして今年2月、アンシアさんにさらにショッキングニュースが飛び込んできた。がんが肺や肝臓にも転移していることが分かったのだ。アンシアさんは、今の心境をこのように明かしている。

日焼けベッドの使用で鼻や耳、足やつま先を失った人を何人も見てきました。皮膚がんは病変を切除すれば大丈夫と思っている人が多いようですが、それは大きな間違いです。今の私は、息子2人の結婚式まで生きられるのか不安で仕方ありません。」

「できることならがんに侵された私の左耳の写真を、日焼けサロンの入り口のドアに掲示したいくらいです。タバコに警告文が書かれているようにね…。そして日焼けベッドが一日も早く禁止になることを願っています。」

なおメラノーマのはっきりとした原因は不明だが、遺伝的な背景や外的刺激、紫外線などが関係していることが指摘されている。『The Sun』は35歳以下の人が日焼けベッドを使用した場合、メラノーマ発症の危険性は87%も高まるとしており、イギリスでは毎年1万6千人、一日にすると44人がメラノーマと診断されているとのことだ。

画像は『Fox News 2020年2月6日付「Mom who lost ear to skin cancer claims tanning as teen led to disease」(Kennedy News and Media))』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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