スイス検察局は、パリ・サンジェルマンのナセル・アル・ケライフィ会長と2007年6月から2015年9月にかけて国際サッカー連盟FIFA)の事務総長を務めていたジェローム・ヴァルク氏らを贈収賄などの容疑で起訴した。20日、イギリスメディア『BBC』や『スカイスポーツ』などが報じた。

 今回の起訴は、2018年から2030年の間に開催されるFIFAワールドカップコンフェデレーションズカップに関連した各大会の放映権について、ヴァルケ氏とケライフィ氏、第三者のビジネスマンが不正に関わっていたという疑惑に基づいているようだ。ケライフィ氏はカタールメディア『beINメディアグループ』の役員も務めており、イタリアギリシャなどでの放映権を得る見返りに、ヴァルケ氏に“援助”を行ったと疑われている。

 スイス検察局はケライフィ氏について、「ヴァルケ氏に刑事上の不当な財務管理を促した」、「イタリア・サルデーニャ島に所有する別荘を、ヴァルケ氏が無料の宿泊施設として独占的に使用できるようにした」2件について起訴した。『スカイ』によると、別荘の貸し出しによって、ヴァルケ氏はイタリア滞在時の家賃を90万ユーロから180万ユーロ(約1億〜2億円)節約することができたようだ。また、ヴァルケ氏は贈収賄や複数の刑事上の不当な財務管理および文書の改ざん容疑で、匿名の第三者もヴァルケ氏の不正行為を促した疑いでそれぞれ起訴されている。

 ケライフィ氏は公式声明を通じて、告発が事実無根のものだと主張している。なお、今回の起訴は、同氏のPSG会長としての職務や欧州サッカー連盟UEFA)の執行委員としての活動に関係するものではない。

汚職容疑でスイス当局から起訴されたアル・ケライフィ氏 [写真]=Getty Images