任天堂2月20日あつまれ どうぶつの森の情報を紹介する番組「あつまれ どうぶつの森 Direct」を配信した。また、それにあわせて公式サイトをオープン。3月20日の発売に向けて期待が高まっている。

 しかし、このお祭りムードを奇妙なものに変える珍事も起きた。Twitterにおけるの『どうぶつの森』公式アカウントの案内役がしずえさん(Isabelleからたぬきち(Tom Nook)に変更になったのだ。

 今日からしずえさんに代わって情報発信をすると伝えるたぬきち。彼はシリーズではプレイヤーに家を売ってくれる一方、その代金を借金としてプレイヤーに課す少し困ったキャラクターだ。『あつまれ どうぶつの森』では「たぬき開発」という会社を経営しており、「無人島移住パッケージプラン」を利用してプレイヤーを無人島に送り、やはり借金を課す。

 その愛くるしいような小憎らしいような風貌やしゃべり方の一方で、多くのシリーズ作品で共通する借金の貸主としての役割から、シリーズの憎まれ役の側面も持つ存在でもある。

 公式Twitterアカウントの主が、多くのプレイヤーに愛されていたしずえさんから、そんなたぬきちに変わったことで、日本では2万件、アメリカでも7000件以上の多種多様なリプライが多く寄せられている。

 もちろん、もっとも多く見られるのはしずえさんを返して」という内容のものだ。落ち着いた調子のものだけでなく、ちょっと目を覆いたくなるような口汚い言葉を含んだ発言も多い。

 たとえばあるプレイヤーは、「しずえさんをどこにやったこのクソ野郎」という直球のリプライを送った。このツイートにも多くのリプライが寄せられており、たぬきちサノスの持つインフィニティ・ガントレットを携えた画像など、コラージュも多数投稿されている。「しずえさんは死んだ」「失せろ」「もどして」といった類のツイートも多数並ぶ。

(画像は『どうぶつの森』公式Twitterアカウントより)

 また、突然の交代劇の裏になんらかの事件があったのではと予想するリプライも多い。「何で写真を変えたの?」と言いながら手に斧を持ったたぬきちの画像を提示するもの、悪い顔をしたしずえさんたぬきちにベル(『どうぶつの森』で使われる通貨)を渡し、これが理由で任天堂と秘書職を解雇されたのだろうというものもある。

 このほか、交代劇に怒る『DOOM』の主人公「Doom Slayer」の画像も多数寄せられている。『あつまれ どうぶつの森』と最新作DOOM Eternalは、どちらも3月20日に発売予定であり、また「2020年の期待作は?」というツイートに『DOOM』の公式Twitterアカウントが「どうぶつの森」と答えたことが話題にもなった。「彼女を戻せ」と怒るDOOM Slayerのgif画像の投稿は笑いを誘う。

 しかし、『どうぶつの森』シリーズの嫌われ役を一身に背負うたぬきちだが、ネタか本意か不明ながら登場を歓迎する声も多数寄せられていることも事実だ。そういった声も紹介しておかなければフェアでは無いだろう。リプライには、「たぬきち様愛しています、全プロジェクトを支援します」という声や、「たぬきち愛してるよ、ずっと愛してる」と愛を表現するツイートもあり、王の帰還だと称えるものもいる。

 愛と憎しみは紙一重か、ともかく各国の公式アカウントの主となったたぬきちは、多数の移住予定者から言葉を受け取っている。国を問わず今回の交代劇に注目が集まっていることは間違いない。

 なお発売まで1ヶ月を切った『あつまれ どうぶつの森』だが、公式アカウントの案内役が変わっても重要な情報が共有されることは間違いない。もしたぬきちが嫌いだという方もぐっとこらえ、フォローし発売を待ってほしい。

ライター/古嶋 誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros