マンチェスター・ユナイテッドの伝説的な指揮官、サー・アレックス・ファーガソン氏が末期がんで余命1年の診断を下されたユナイテッドファンの病室をサプライズ訪問したことがわかった。イギリスSPORTbible』が伝えている。

1986年から2013年までユナイテッドを率いたファーガソン氏は、プレミアリーグ優勝13回や2度のチャンピオンズリーグ(CL)制覇のほか、FAカップ優勝5回、リーグカップ優勝4回など、クラブに数々の栄光をもたらしてきた伝説的な指揮官。そのため、熱狂的なユナイテッドファンにとっては神や王と形容すべき偉大な存在だ。

その伝説的な指揮官は今月中旬に末期がんで余命1年と診断されたダミアン・ニクソンさん(32)の病室を急遽訪問することになった。

ダミアンさんは最近、担当医からこれ以上の治療法はないと、余命12カ月という重い診断結果を突き付けられた。今後は残された短い時間をいかに安らかに充実したモノとして過ごすかに焦点が当てられた中、今月11日には憧れの人と夢のような時間を過ごすことになった。

ファーガソン氏は同日、偶然個人的な理由でダミアンさんが入院している病院を訪問していたという。その事実を知った友人がダミアンさんに少しでも元気を与えたいと思い、ファーガソン氏を出待ちして夫の病室に訪問するよう懇願した。

「友人はファギーがいた部屋のまで1時間半ほど待っていたの。そして、彼が部屋から出てきたときにこちらの事情を伝えてくれたの」

「そのときにファギーは『彼はどこにいるんだ?』と言って、すぐにダミアンの部屋に向かってくれたの」

「そのときの夫の反応は信じられないほどだったわ。実は夫の兄弟が偶然にもその日の朝にユナイテッドトレブルを達成した1999年ユニフォームを夫のために病室に持ってきてくれていたの」

その後、友人、サマンサさんを交えてダミアンさんはファーガソン氏と歓談を行っていたという。その際、10年以上のシーズンチケットホルダーのダミアンさんは、「あなたが監督の仕事を辞めた時は絶望してしまった」と、ユナイテッドサポーターとしての正直な想いを伝えたという。

また、ファーガソン氏が病室を去る際には、ダミアンさんと熱い抱擁を交わすとともに「強く生きてほしい」と、励ましの言葉をかけた。

なお、ファーガソン氏の訪問の2日後、すでに2人の子供を設けていたダミアンさんとサマンサさんは結婚し、正式に夫婦になったという。そして、新妻のサマンサさんは夫の現在の状態を説明するとともに、ファーガソン氏への感謝の言葉を口にしている。

「現在、夫はとても穏やかな気持ちだと話しているの。そして、以前よりも強くファギーのことを自分のヒーローだと認識しているようだわ」

「サー・アレックス・ファーガソンは以前から私たちのレジェンドだったけど、彼が今回私たちのためにしてくれたことは永遠に心の中に残り続けるわ」

「彼自身の個人的な問題で病院に来ていたにもかかわらず、時間をかけてダミアンの元を訪ねて同じ時間を共有してくれたことは、ファギーがどれほど特別な人間であるかを示していると思うわ」

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