キャンペーン実施中の二度にわたる「後出し」の条件変更で、ユーザーから不満の声が出ているau PAYの「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」。全国の主要家電量販店ネットショップPOSデータを集計した「BCNランキング」でも、キャンペーン実施日や条件変更のアナウンスによって販売台数が激しく乱高下している実態が明らかになった。

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 2月10日から3月29日まで7週にわたって実施中の同キャンペーンは、スマートフォンスマホ)決済サービスのau PAYで支払うと20%のポイント還元が受けられ、なおかつ開始当初、ポイント還元上限が3万ポイントだったことから、単価の高い家電製品を購入しようと家電量販店に顧客が押し寄せた。15万円の買い物をすれば、上限の3万ポイントが受け取れるからだ。

 なお、7週を三つのステージに分けて開催される、やや複雑なキャンペーンの仕組みについては既報なので、簡潔にまとめた次の記事を参照してほしい。

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本日からau PAYが20%還元キャンペーンを開始

https://www.bcnretail.com/market/detail/20200210_157710.html

 BCNランキングの製品カテゴリーの中でも、iPadシェアが7~8割と高く、キャンペーンの影響が色濃く反映されるタブレット端末の販売台数を見ながら動きを追っていこう。キャンペーン初日の2月10日ユーザーの大きな期待もあり前年比182.1%になった。翌日の313.1%と比べると小さく見えるが、前年同日が祝日で、今年は平日だったことを考えれば、182.1%は大きな伸びといえる。

 11日に313.1%に跳ねたのにも理由がある。運営するKDDI(au)が10日のキャンペーン開始早々に、当週分の還元原資の10億円に達することが予想されたことから、翌日23時59分にキャンペーンが終了することを告知したためだ。終了の告知を受けたユーザーが、祝日だったこともあり11日に駆け込んだことを裏付けるデータだ。もっとも、前年同日は平日だっため、その分は差し引いて見る必要がある。

 最初の条件変更がau PAYのアプリで告知されたのは、第2週の実施2日前の15日。10億円の還元総額に達しそうな場合、当初は「翌日に終了しそうな旨を前日に告知する」としていたルールを、「当日の終了もある。その場合、終了しそうな当日の17時までに告知する」という内容に変更したのだ。

 BCNランキングを見ると、条件変更を告知した翌日の16日(日)は98.6%と前年を下回った。第2週の初日となる17日に備えた買い控えが起きたとも読める。案の定、17日にキャンペーンが再開すると、平日にもかかわらず316.9%という3倍以上の販売台数の伸びを示した。そして事前の予想通り「当日の23時59分に終了」と告知された。

 au PAYのキャンペーンは、7週間にわたるロングキャンペーンを予定しているものの、実態は毎週月曜日だけ実施される、正味、約1週間だけのキャンペーンになりそうな雲行きだ。PayPayブレイクするきっかけとなった18年12月の「100億円あげちゃうキャンペーン」もわずか10日間で終了した。そうした過去の例を踏まえれば、今回の事態は「想定内」ではなかったのか。

 当初の目論見と異なる動きを懸念したのか、KDDIは二度目の条件変更を20日に、これまた唐突にau PAYアプリで告知した。24日に始まるキャンペーンの第3週から、ユーザーの購入動機となる1日当たりの最大還元上限を、「最大6000ポイント」に下げたのだ。変更前は、期間中の最大還元上限が3万ポイントという条件のみだった。

 ステージ1(2月10~3月1日)の期間中に獲得できる上限が3万ポイントであることに変わりはない。ただ、例えば1回で15万円の買い物をして3万ポイントを獲得できたのが、条件の変更によって還元上限の3万ポイントを獲得するには、3万円の買い物(還元6000ポイント)を5日間にわたって行わなければならない。過去2回の実績のように、2日や1日で終わってしまう可能性があるにもかかわらずだ。


●15万円の買い物が「20%還元」から「4%」に



 還元率は20%で変わらないとはいえ、3万ポイントをあてに15万円の買い物を計画していたユーザーは、3万円の買い物5回という計画変更を余儀なくされたわけだ。仮に1回15万円の買い物で6000ポイントの還元だと、還元率は消費税よりも低い4%になってしまうので、今後、そのような大きな買い物をするユーザーは少なくなるだろう。

 第3週の初日、24日は令和初の天皇誕生日の振替休日だ。そのため、前年同日比の数字は跳ね上がることが予想される。しかし、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーンの再来か?」と色めき立った当初の強烈なインパクトから、かなりトーンダウンした感は否めない。引き続きBCNランキングで動きを追っていきたい。(BCN・細田 立圭志)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
au PAYのキャンペーンで乱高下が激しい販売台数前年比