経済の発展が著しい中国では多くの人が海外旅行を楽しむようになった。中国人にとって東南アジアは近場であり、安い値段で旅行できるため、近年はタイやベトナムなどが人気の渡航先となっている。ベトナムと中国は同じ社会主義国だが、中越関係はそこまで良好ではなく、中国人がベトナムを旅行する際には短期間であったとしても査証(ビザ)の取得が求められる。

 中国メディアの新浪は18日、ベトナム高速鉄道の建設を中国ではなく日本に発注しようとしたうえに「中国人にビザの取得を求めるようになった」と不満を綴る記事を掲載し、「中国人として納得できない」と論じた。

 ハノイホーチミンを結ぶ「ベトナム南北高速鉄道計画」はこれまで計画が二転三転としており、今後計画が順調に進むかは不明な状況だ。しかし、当初は新幹線方式を採用する方針であったのは確かだ。記事は、ベトナムと中国は国境を接する国であり、社会主義国という共通点もあることを強調する一方で「ベトナムは中国に発注するつもりはないようで、計画が実行されることになれば、どうせ日本に発注するだろう」と主張した。

 続けて、中国人旅行客はその旺盛な消費で世界中から歓迎される存在であり、日本のように中国人のビザ要件を継続的に緩和している国もあるなか、ベトナムは中国人向けのビザ免除を撤回し、ビザの取得を求めるようになったと主張。高速鉄道の対応といい、ビザの対応といい、ベトナムの中国に対する態度は「我慢がならない」と主張した。

 確かに中国マネーは非常に大きな力を持つようになった。中国人旅行客が世界で歓迎されるようになったのも中国マネーがあってこそだ。しかし、記事の主張からは「驕り」のようなものも感じられ、お金さえあれば何でも望みどおりになるわけではないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

ベトナムの我が国に対する態度「中国人として納得できない」=中国メディア