新型コロナウィルスをきっかけに、広まりつつある在宅ワーク。
職場出勤が必須な職業も数多くありますが、リモートで働ける仕事は増えています。最新のデータによると、アメリカに住むフルタイムワーカーの24%がすでに在宅ワーカーです。
また、デメリットが取り上げられがちな在宅ワークですが、メリットも多々あります。海外メディア「arstechnica」が「職場出勤にはないメリット」を取り上げたことは、海外掲示板などで大きな話題になっているようです。いま世界で在宅ワークが注目されています。
「通勤ストレス」からの解放
在宅ワークの最大の利点は、通勤が無くなることです。
早起きや悪天候、運転、満員電車など、通勤は働く人にとって大きなストレス源となっています。通勤を無くすだけでストレスから解放され、仕事の生産性も格段にアップすることが期待できます。
さらに、通勤にかかる時間をカットできることも利点です。
アメリカの国勢調査によると、都市部での通勤時間は、平均して片道1時間以上もかかっています。これは日本でも同じで、2017年の調査によると平均通勤時間は58分でした。
通勤は社会人の苦痛のタネであり、「痛勤」という言葉もあるようです。
また、自動車や自転車通勤の人であれば、事故のリスクも無くなります。特に、通勤や退勤時の運転は、疲労も溜まっており、事故を起こしやすいのです。それから、自動車等による排出ガスが減ることも大きな利点でしょう。
通勤にかかる時間を読書や家事、エクササイズに当てる方が、仕事の生産性は上がるはずなのです。
「対人ストレス」からの解放
職場出勤のもう一つのストレスとして、対人ストレスが挙げられます。
同僚や上司、他社のビジネスパートナーとの付き合いに息苦しさを感じている人もたくさんいるでしょう。また、飲み会や忘年会などを苦痛に感じている人も少なくありません。
こうした対人関係の悩みやストレスは、在宅ワークに切り替えるだけで一掃され、仕事もはかどりやすくなります。
実際、APA(アメリカ心理学会)の2019年調べによると、職場出勤者よりも在宅ワーカーの方が、仕事への満足度が高く、パフォーマンスも向上する傾向にあることが分かっています。
また、在宅ワーカーは、仕事を自分がコントロールしているという意識が強く、それが「自己効力感」に繋がることで、精神面でもポジティブな効果があるのです。
去年の「通勤時間が短いほど幸福感が高くなる」という研究がそれを実証しています。
以上のような理由から、在宅ワークのほうが、会社にとっても従業員にとってもプラスに働くことが期待できます。
もちろん、在宅ワークの弱みも数多く指摘できるでしょう。
働き手の一人一人が孤立していることで、生産性が落ちる職業もあるでしょうし、仕事上の問題点や不明な点をすぐに話し合えないことも欠点となりえます。
在宅ワークを促進するべきか、否かは、職種に大きく左右されるでしょう。
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