中国メディア・今日頭条は20日、「日本の新型コロナウイルス感染状況は、われわれより深刻になりうるのか」とする記事を掲載した。

 記事は、クルーズダイヤモンドプリンセス号感染者を加えると、日本国内の新型ウイルス感染者数がすでに700人を超えていることを紹介したうえで「日本の感染状況はさらに深刻化する可能性がある」との見方を示した。そして、「深刻化」というのは必ずしも感染者数の爆発的な増加ではなく、ウイルス感染拡大が影響する範囲や時間が大きく広がる恐れがあるということだとし、その要因を3つ挙げて説明している。

 まず1つめは、日本が中国のように厳格な隔離措置を取ることができない点を挙げた。中国では湖北省武漢市などでトップダウンによる急速な街の封鎖が行われたが、日本にはこれを実現する条件が備わっていないとし、東京のような大都市を封鎖することになれば日本全国のあらゆる活動がストップする可能性が高いこと、そして、日本は明治維新以降西洋の「民主」と「自由」の思想に染まっており、中国式の街の封鎖は人権の侵犯と考える人が少なくないことなどに言及した。

 2つめは、日本政府の行動力が弱いこととしている。日本は戦後に米国の影響のもとで三権分立の体制を作りあげ、首相は行政の長として大きな権力を持つ一方で、さまざまな施策についていちいち議会の批准を得なければならないために効率が下がり、特に一刻を争うような重要な時期には低効率さが大きな足かせになるとしている。

 そして3つめは、夏に開催予定の東京五輪の存在だ。開幕まであと5カ月に迫るなか、日本は東京五輪の開催に向けて全力を注いでおり、ウイルス感染拡大による延期や中止などという判断は「できない、したくない、してはならない」という姿勢でいると紹介。このため、現状でも五輪に関連する様々な準備活動は計画通り進められているとする一方で、この状況が感染拡大を加速させる要因になりかねないと論じた。

 傍から見れば非常に強引な都市全体の封鎖、さらには10日足らずでの病院建設など、今回のウイルス感染拡大にあたり、中国は「とうてい中国にしかできないこと」をいくつも繰り出してきた。これをそっくりそのまま学ぶことは不可能だが、緊急事態における行動力の強さ、大胆さという点は、しばしば動きが鈍い、遅いと評される日本も参考にすべきなのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

日本のウイルス感染状況は、わが国よりひどいことになる?=中国メディア