南アフリカのハウテン州にある巨大ショッピングモール「モール・オブ・アフリカ」で昨年7月15日、現金輸送車に積み込まれる予定の大金が警備員によって持ち逃げされた。現金が盗まれるのを防ぐために配置されているはずの警備員が、その知識を生かして大胆な犯行を行い、いまだに行方がつかめていないことを『SowetanLIVE』など複数のメディアが伝えている。

バトビレ・ムラゲニ(Bathobile Mlangeni、29)は事件当時に警備員として働いており、現金の入った鞄をハサミで明けてその中身を複数のゴミ袋に詰め、その袋の山をショッピングカートに載せて堂々と立ち去っていった。盗んだ現金は総額400万ランド(約3千万円)になるそうだ。

ハウテン州警察は、職務中に現金とともに失踪したムラゲニを今も捜索している。ムラゲニは2011年から現金輸送・警備を専門とするSVBで働いており、2017年からショッピングモール「モール・オブ・アフリカ」の警備についていた。ここでの現金輸送システムを熟知していたからこその犯行と言える。

『SowetanLIVE』が入手した記録映像には、ショッピングカートにゴミ袋を載せて運んでいる警備員の制服を着たムラゲニの姿が映っていた。しかし現金集配所から大量のごみ袋を載せたカートを運ぶ警備員は不審だと思われても仕方がない状況だが、誰にも止められることなく出て行ったという。また彼女が一人で現金を持ち出せたことは怪しいとしてムラゲニの同僚も事情聴取を受けたが、明白な証拠は見つからなかったそうだ。

ムラゲニの失踪以降、家族の生活にはこれと言って大きな変化は見られず、古い車両が庭にあるぐらいだった。事件から半年経った頃、ムラゲニの姉妹の結婚式で近隣住民が彼女を目撃したという証言があったことから『SowetanLIVE』では周囲を取材している。ムラゲニの母親は、娘の行方は事件以降分からないと主張し「娘はそんなことができるような子ではない。貴重品が落ちていても触ることすらしないような子だ」と語ったそうだ。またSVBのマーク・バレット社長(Mark Barrett)は「我々は南アフリカ市民が安心して現金を利用できるようにサービスを提供している。会社の内部、外部問わず、どんな些細な事件でも、犯罪は白日の下にさらすべき」として情報提供を呼びかけている。

画像は『SowetanLIVE 2020年2月18日付「Wanted: guard who ‘strolled off with R4m’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

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