突然ですが、

毎日言いたいこと言えてます?

・喋るのが苦手
・自己主張できない
・相手のことを考えて口をつぐんでしまう

うむむ、言いたいことを言えたらいいなって思いますよね。人生も有利に運べそうです。なんでこんなに自己主張するのって難しいんでしょうか。

今回のテーマは「言いたいことが言えないのはなぜか?」です。

その心理と対処法にせまってみましょう。

■言いたいことが言えない心理って?

それは「否定を恐れているから」です。

意見したときに、怒られたり、機嫌を悪くされたり、否定されたりするのが怖いのですね。特に本音ほど、否定されるとダメージは大きい――自分自身を否定されるようなものだから。そのぶん慎重になってしまうのです。

ゆえに、当たりのキツい人物ほど「言いにくい」わけですね。

例えば、立場が上の人や、頑固そうな人、言葉が荒い人に対しては、一層、その傾向が強まります。何も言えなくなるのです。

ちなみに子どもを認めずに(すぐに否定して)ガミガミ叱るような親のもとで育つと、そういう性格になりやすいです。何か言うたびに「それは違う!」と怒鳴られていては、言いたいことも言えなくなるというものですよね。

■主張が苦手な人の性格

主張するのが苦手な人には、いくつか性格の共通点があります。

◇(1)臆病

まずは臆病だといえるでしょう。

周りにどう思われるかをビクビク気にしてしまうのですね。そして怒られたり、否定されたりすることを恐れてしまう――まさに臆病というわけです。

それも「気にしすぎじゃない?」と心配されるほどに。

◇(2)感受性が豊か

感覚が鋭すぎるのです。

その感受性で、相手の感じていることを「過剰に」汲み取ってしまうのですね。

いま「過剰に」と強調しました。ここがポイントです。というのも私たちは相手の心や感じているすべてを本当に知ることはできないからです。推測しているにすぎないのですね。

とはいえ本人にはリアリティを持って感じられるのです。それが感受性という能力ですから。敏感すぎるがゆえの苦労だといえるでしょう。

◇(3)ネガティブ

物事を考える癖にも表れます。

あらゆる物事をマイナス方面に考えてしまう傾向があるのですね。言いたいことを口にしたことで「否定されたり、怒られたりするんじゃないだろうか……」と常に心配になるわけです。

これは日常生活にも表れます。コップが割れただけでも世界のすべてが終わったような憂うつにとりつかれたりします。何時も最悪の事態を考えすぎてしまうのです。

◇(4)緊張しい

緊張しいなのもあります。

そもそも人前が苦手というパターン。誰かの前で口を開けるだけでも手汗をかいて、舌が固くなって、胸の奥が痛くなるわけです。

言いたいことが言えないのは緊張しているから。

特に、言いたいことほど言えなくなる気持ちもわかります。プレッシャーを感じているからですね。

◇(5)やさしすぎる

自分の利益に走ることができない、ともいえます。

極論ですが、何かを主張するとは、そうではない他人の意見を押し留めることです。仕事でもA案を進めるということは、B案を否定することですよね。

それができないわけです。相手に気を遣ってしまうのもあるでしょう。自分の心が痛むのかもしれません。まさに、やさしすぎるというわけです。

■言いたいことを言うための7つのコツ

人の気持ちを察する感受性や、相手を気遣うやさしさは大切です。とはいえ、重要な場面で言いたいことが言えないと、自分にも相手にも不利益を生む可能性だってあります。

自己主張するコツには、どんなものがあるのでしょうか。

◇(1)息を落ち着ける

まず心を落ち着ける必要があります。

その秘訣は呼吸にあります。実は呼吸だけは無意識の動作でありながら、意識的にコントロールできるものなのですね。意識と無意識の中間にあるもの、というとわかりやすいでしょうか。

ゆえに息をゆっくりすること。そうして、無意識に「落ち着くんだぞ」とシグナルを送るのです。ねえ、ひとまず息を落ち着けましょう。

◇(2)言いたいことを心の中で呟く

言いたいことを言えないのは、喋りながら考えているからかもしれません。

案外、喋ることを考えながら口を開くのは難しいものです。本当に伝えたいことであればなおさらですよね。間違った伝え方をしたくないですから。

だからこそ「あらかじめ心の中で考えておく」のが有効なのです。焦らずに済むからです。語る前に内容を詰めておきましょう。

◇(3)自分の発言の正しさを確認する

自分の発言に自信がないのかもしれません。

ならば、徹底的に理論立てしましょう。あらゆる反論を想定して、先に潰しておきましょう。ディベートの事前準備のようなものです。その正しさを固めておくのです。

反論されない自信がつけば、堂々と発言できるかもしれません。

◇(4)うまく言おうとしない

もしかすると完璧を狙いすぎているのかもしれません。

案外、ほかの人もしどろもどろに「あー、えっと、その」と喋っているのですよ。周りの会話を観察してみてください。文字起こしすると、誰だってまあ目も当てられないものです。

――という事実を知ると安心できるかもしれません。心が軽くなるんじゃないでしょうか。100点じゃなくてもいいんですよ。ぼちぼちでいきましょう。

◇(5)文字で伝える

苦手なことをする必要はないのかもしれません。

ほかの方法でカバーすることもできますよね。LINEやメールや書面で伝えてみてはどうでしょう。じっくり時間をかけて練ることもできます。むしろ上手に伝えられるかもしれません。

大事なのは口にすることではなく、伝えることですから。

◇(6)要点だけを考えておく

すべてをスラスラ言おうとする必要はありません。

3つほどでOKです。単語やセンテンスの形で「どうしても伝えたい要点」を頭にいれておきましょう。それを思い出すだけで文章を作りやすくなります。

川に浮かんだ飛び石を(これが3つ用意した要点なわけです)渡りながら話を進めるイメージです。

3つだけなら、なんとかこなせそうじゃありません?

◇(7)他人は自分を気にしていないというマイン

このマインドセットも強力です。

そもそも他人は「貴女のこと」を考えてはいません。もっとほかのことを考えるのに忙しいからです。

それは何か?

ズバリ「自分のこと」です。仕事のこと、ランチのこと、異性のこと、足のかゆさのこと、室温のこと、胃薬のこと──そんな感じです。その証拠に貴女だってそうではありませんか。

それが良くも悪くも真実です。そう考えるといくぶん気楽になりませんか?

■言いたいことも言えないこんな世の中が悪くない?

ひとつだけハッキリさせてください。

貴女は一切悪くない。

相手の意見をノリで否定して、勝手に機嫌悪くして、文句ばかりたれながす相手が悪いのです。他人を(貴女を)傷つけて平気で、そんなガサツなやつが悪いのですよ。

――ああ言いたいことを言えてすっきりした。

もちろん、これは茶番じゃありません。マジの本音です。

感受性の強い人間に、少々人生は残酷なものである」

フランスの文学者フランソワーズ・サガンの言葉です。

そう、この世はやさしい人間に厳しいのですよね。だからこそ、私の文章が、貴女にとって、ひとかけらの力にでもなればと願わずにいられません。貴女は悪くない。でも少々タフにならないといけない。こんな世の中で生きるにはね――OK?

貴女のもとに幸せが舞い降りるように願っております。

(浅田悠介)

※画像はイメージです

会議が怖い。言いたいことを意見する7つのコツ