新型コロナウイルスの影響が広がるなか、ANAが成田~上海(浦東)線の臨時貨物便を運航しました。使用機材は、ANAでは大型の貨物機となる「ブルージェイ」ことボーイング777F型機です。積み荷は往復で異なっていました。

2往復のANA臨時貨物便 何が積まれたのか

ANA(全日空)が2020年2月23日(日)、大型貨物機のボーイング777F型機で、成田~上海(浦東)線の臨時貨物便を運航しました。

新型コロナウイルスによる需要減退により、中国・香港発着の国際線が運休、減便になっているなか、通常は旅客便で運ばれていく郵便物などの貨物が滞留。日本郵便などの関係各社から輸送の要望を受け、この臨時便が設置されたといいます。

成田発上海行きには郵便のほかマスク、防護服、除菌シートなどの緊急支援物資が積載され、折り返しの上海発成田行きには、生産が再開された中国の工場からの自動車部品、電子部品といった緊急輸送品が載せられます。往復とも、貨物は満載状態とのこと。

この臨時貨物便は、2月24日(月)にも運航される予定です。

ANA、臨時便にはB777F「ブルージェイ」を投入 その強みとは?

臨時便に使われたボーイング777F型機は、旅客型のボーイング777-200LR型機をベースにした貨物機。777F型機は、ANAが日本の航空会社で唯一のユーザーで、2020年2月現在、ANAは2機を保有しています。

777F型機は、大容量の貨物室が強み。ANAの主力貨物機のひとつであるボーイング767-300F型機と比べ、777F型機の貨物室は約1.2倍の高さをもち、搭載できる貨物量も重量ベースで約2倍(102トン)といいます。

今回、2月23日(日)に運航された上海行き臨時便は、22時36分に成田空港を離陸。777F型機のANA初号機(機番:JA771F)が使われました。なおANAによると、24日(月)の成田発第2便は、777F型機の同社2号機(機番:JA772F)を使用する予定だそうです。

なお、ANAでは777F型機に北米の青い鳥「ブルージェイ(BLUE JAY、日本名はアオカケス)」の愛称をつけ、機体後部左側に「青い鳥」をあしらっています。

成田空港で貨物を積み込むANAボーイング777F臨時貨物便(2020年2月23日、乗りものニュース編集部撮影)。