英時間21日、1台のスクールバスがバッキンガム宮殿の前を通りかかった。エリザベス女王の次男アンドルー王子の顔写真を載せた大きな“バス広告”には「この男性を見かけたら、FBIの質問に回答するよう伝えて」と記されていた。バスの広告主は、性的人身売買の罪で告発されていた故ジェフリー・エプスタイン氏の被害者5名の代理人を務める敏腕弁護士グロリア・オールレッド氏だった。

未成年少女の人身取引の疑いで逮捕され、勾留中の昨年8月に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン被告と親交があったエリザベス女王の次男アンドルー王子

「私の過去のジェフリー・エプスタインとの親交が、家族が携わる公務や私自身が誇りを持ってサポートしてきた多くの組織、並びに慈善団体の素晴らしい活動の大きな妨げとなっていることが、ここ数日の間に明白になりました。」

「この事態を受け止め、当面の間、公務から退くことを女王陛下に願い出たところ、許可が下りた次第です。」

「求められれば、当局の捜査に進んで協力いたします。」

同年11月にこのような声明を発表したアンドルー王子は、以来公務への出席を見合わせている。

しかし先月末、ジェフリー・S・バーマン連邦検事がニューヨークで会見を開き「アンドルー王子側が検察からの連絡に返事をしてこない」「捜査への協力はこれまでゼロである」と王子を槍玉に挙げ、近親者がそれに対し「王子はFBIの捜査に喜んで協力するつもりでいる」ことや「事実とかけ離れた報道に王子が激怒、そして当惑している」ことを英紙『The Telegraph』に明かしていた。

アンドルー王子が今月19日に60歳の誕生日を迎えた際には、SNS上で公に誕生日を祝福する英王室に「空気を読め」と非難が殺到、「祝福はいいから、それよりFBIの捜査に協力しろ」といったコメントが相次ぐ事態になった。

世間のアンドルー王子へのバッシングが続くなか、誕生日から2日後の英時間21日、アンドルー王子の顔写真を2つ載せた大きな広告が貼られたスクールバスが突如、バッキンガム宮殿の前をはじめロンドン市内のあちこちを巡回する光景がメディアの注目を集めた。このバス広告には「この男性を見かけたら、FBIの質問に回答するよう伝えてください」と記されている。今回このような目立った演出を行ったのは、性的人身売買の罪で告発されていた故ジェフリー・エプスタイン氏の被害者5名の代理人を務める敏腕弁護士グロリア・オールレッド氏である。

オールレッド弁護士は同日ニューヨークで会見を開き、

「私の依頼人達は真実を知ってしかるべきです。彼らは長年にわたり公正な裁きを否定されてきました。真実なしに正義はあり得ません。」

アンドルー王子がFBIや世間からの雲隠れをやめない限り、真実が語られることはありません。このような事態が許されてはならないのです。」

と怒りをあらわにし、一刻も早くFBIの捜査に協力するよう呼びかけるのであった。

またオールレッド弁護士は『NBC News』の取材に対し、アンドルー王子がオールレッド弁護士からの手紙も無視し続けていることを明かしており、被害者のためにも、せめて知っていることをすべてFBIに話すべきだ―と強く訴えた。

ロンドン市内で人々の目を引きつけたこのたびのバス広告、アンドルー王子本人や英王室からの今後の対応に引き続き注目が集まっている。

画像2枚目は『The Guardian 2020年2月22日付Instagram「An American-style bus has driven past Buckingham Palace with the message:」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma

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