昨年3月にマリナーズの選手として引退し、現在は球団の会長付特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏。そのイチロー氏が3月26日の今季開幕戦・マリナーズレンジャーズ戦で始球式を務めることが話題を呼んでいる。

 過去には松井秀喜(2016年)、野茂英雄(2013年)といった元メジャーリーガーに加え、石川遼(2008年)や大坂なおみ(2019年)も務めたことがあるMLB始球式。ただ、MLBでは石川、大坂のような他競技のアスリートをはじめとした著名人よりも、松井、野茂のような偉大な成績を残したOB選手などが起用される例が多いといわれている。

 一方、NPBではMLBとは反対に著名人が始球式に登場する例は枚挙にいとまがなく、中にはプロ顔負けの球速を叩き出し球場を沸かせた人物もいる。ここではその中でも特に速い球速をマークし、芸能界最速記録トップ3に名を連ねている芸能人を見ていきたい。

 3位の球速を記録したのは、ダンス&ボーカルグループ『EXILE』と『GENERATIONS from EXILE TRIBE』でパフォーマーを務める関口メンディー。保育園年長から高校時代まで野球に打ち込んでいたという巨人ファンのメンディーは、2018年6月5日の巨人対楽天の始球式(東京ドーム)に登場。2004年アテネ五輪ハンマー投げメダリスト室伏広治氏が2005年に残した131キロをも超える133キロをマークし、芸能界最速記録(当時)を樹立したと各メディアに大きく報じられた。

 なお、メンディーは2019年3月18日に行われた巨人対マリナーズ戦(東京ドーム)でも始球式に挑戦。この時は1度目の記録には及ばなかったが、それでも127キロをマークして再びドームの観客を沸かせている。

 メンディーを上回り2位に入ったのが、ヴィジュアル系エアーバンド『ゴールデンボンバー』でドラムを担当する樽美酒研二。小学生から高校時代まで野球に打ち込んだ経験を持つ西武ファンの樽美酒は、2018年6月27日西武対オリックス戦(メットライフドーム)で始球式に挑戦。「3球だけチャンスをください」と宣言して投じた1球目で、いきなりメンディーの記録を塗り替える135キロをマークした。

 ちなみに、樽美酒は宣言通り2球目、3球目も投じ、それぞれ132キロ、133キロをマーク。報道では前日のシャドーピッチングで右ひじを痛めていたことが伝えられているが、もし怪我がなければさらに球速が出ていたかもしれない。

 そして、現在芸能人最速記録を保持しているのが俳優の間宮祥太朗。小学1年から中学3年まで野球をプレーした経験を持ち、さらに幼いころからの阪神ファンでもあるという間宮は、2019年7月23日阪神対DeNA戦(甲子園)の始球式に登場。投球は高めに抜けたにもかかわらず、電光掲示板には約1年前に樹立された樽美酒の記録を超える139キロが表示され観衆からはどよめきが起こっていた。

 ただ、本人は意外にもこの時の投球に悔いが残っているようで、同日に自身のインスタグラムに「ファーストピッチしてきました。スピードガンが139キロというボケかましてきました。高く抜けてしまい悔しいです。次の機会を強く激しく願う」と投稿している。

 新型コロナウイルスの影響は気がかりなものの、無事開幕となれば今シーズンも多くの芸能人が務めることが予想されるプロ野球始球式。果たして、現在1位の間宮を超え、大台の140キロをマークする芸能人は現れるだろうか。

文 / 柴田雅人

記事内の引用について
間宮祥太朗の公式インスタグラムより
https://www.instagram.com/shotaro_mamiya/

関口メンディー