人間以外の生物や無生物を人間の姿に見立て「萌え」と結びつける行為を「萌え擬人化」といい、これまで様々なものが萌え擬人化されたが、中国人には受け入れられないようなものもあるようだ。中国メディアの新浪は、新型コロナウイルス萌え擬人化コロナちゃん」について紹介する記事を掲載した。実際は日本人が萌え擬人化したわけではないようだが、「日本が萌え擬人化した」と記事は誤解したうえで伝えている。

 記事はまず、日本の二次元文化について「いつでもどこでも漫画やアニメの要素が見られる」と紹介。中国でも最近では「萌え擬人化」がそれほど珍しいことではなくなっているものの、日本のすごい所は「否定的な、悪いもの」まで萌え擬人化することだという。

 その一例が「日本鬼子」や「小日本」だと記事は指摘。これらの言葉は日本人に対する侮蔑を意味する中国語だが、「日本人は意味も知らず、単にかわいい感じというだけで、萌え擬人化してしまった」と驚きと共に伝えた。そして、日本の若者は中国を侵略した歴史を忘れてしまったのだと嘆いてもいる。

 とはいえ、記事の中国人筆者をさらに驚かせたのは「新型コロナウイルスさえも放っておかなかったこと」だという。日本は中国に次いで感染者の多い国であり、今年はオリンピック開催を控えているにもかかわらず、日本人は「新型コロナウイルス萌え擬人化した」と主張。中国のネットユーザーからは「日本人を止められるものは何もない」などの意見が出ていると記事は伝えた。

 記事は、萌え擬人化はウイルスをある程度美化することになり、現実の世界では人類に対する危険度が非常に高く、正常な生活に大きな影響を与えていると指摘。醜く描かれているならまだ受け入れられるが、かわいく描かれているため「全く受け入れられない」としている。

 記事では日本が新型コロナウイルス萌え擬人化したと主張しているが、「コロナちゃん」の起源は日本ではなく海外のインターネット掲示板のようで、筆者は誤解しているようだ。いずれにしても、新型コロナウイルスは現在進行形で中国全土に多大な影響を与え、毎日100人以上の死者が出ており、新型コロナウイルス萌え擬人化は、実際に被害を受けている人からすればとても受け入れられたものではないだろう。新型コロナウイルスの問題が早く収束することを願うばかりである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

新型コロナウイルスを擬人化だと? 「受け入れられない」と怒り=中国メディア