目下放送中のオトナの土ドラ「パパがも一度恋をした」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)で約50年ぶりの共演が実現した、麿赤兒と大久保鷹のインタビューが公開された。

【写真を見る】焼き鳥店を営む菊三(大久保鷹)の出演シーン

麿と大久保は、唐十郎率いる劇団・状況劇場の全盛期を支えた二大看板俳優として知られる“レジェンド”。状況劇場は1960年代~70年代に若者から熱狂的な支持を得た“アングラ演劇”ムーブメントの中心にあり、根津甚八、小林薫、佐野史郎、渡辺いっけいといった多くの名優を輩出している。

本作は、最愛の妻・多恵子(本上まなみ)を亡くし、引きこもり生活を送る吾郎(小澤征悦)と、そんな吾郎を天国から心配した多恵子がおっさん(塚地武雅)の姿を借りて蘇り、少しずつ再生されていく家族の絆をハートフルに描くラブコメホームドラマ。

麿は吾郎の父・タロスケ役でレギュラー出演しており、大久保はタロスケの従兄弟で、焼き鳥店を営む・菊三として登場した。2月22日に放送された第4話では、焼き鳥店に吾郎らが訪れ、タロスケと菊三が息の合ったせりふの応酬を披露している。

撮影現場では、大久保がモニターで麿の演技に見入り「やっぱりこいつの表情はいいんだよな」とスタッフと談笑する一幕も。インタビューでは「好きなヤツとの付き合い方というのはいつまでも変わらない」(大久保)と語る通り、久しぶりの再会とは思えない息の合ったやりとりを見せている。

■ 麿赤兒&大久保鷹インタビュー

――お仕事以外でお会いするのは…。

大久保:こうやって顔を合わせて話すのはしばらくぶり。でも、やっぱり会うとうれしいね。

麿:毎日は嫌だけど、たまに会うからいいんだぞ(笑)。

大久保:お互いうるさいから(笑)。

麿:久しぶりに会ってくだらないことを話して、そして、相変わらずバカだなー、と思います。

――久々の共演、いかがでしたでしょうか?

大久保:芝居の雰囲気もあるけど、まだバカをやっているな、お互いに、と思ってね。

麿:こちらもセリフがあるので、たまに目が合いましたが、しらん顔をしました(笑)。

大久保:お互いに目を逸らしていたりして(笑)。

――お互いのことを当時も含めて、どう思われていらっしゃいますか?

麿:ライバルといえばライバルになります。(状況劇場の)当時も、鷹のほうがいい役もらったな、と思うこともありました。

大久保:麿とは一緒に稽古場にいるだけで楽しかった。僕らは遊びと物作りが同時にできた時代に育ったんです。その後も麿が状況劇場をやめて踊りの旗揚げをしたときも、「俺は観に行くんだ」と劇団の皆に言って。

麿:よく観に来てくれていたよな、ありがとう。

大久保:この信頼よ(笑)。好きなヤツとの付き合い方というのはいつまでも変わらない。たまに会えば、「バカが」とか、「このやろう」とか言いますし、頻繁に会うことはないけど、お互いが生きていればいい。

麿:そうだよな、元気で。こうやって昔のことを言い合える仲間は少なくなったからね。 

――当時を知る方は、“レジェンド二人の共演”と驚くと思います。

麿:あの二人、まだ生きていたのかってね。でもこのレジェンドも、もうろくしたな。でも、そのもうろくぶりすらも見せつけるというね。

大久保:でも、俺らの仕事ってそういうことだよ。自分の顔がどう映っているか分からないけど、シワぐらいは映っているだろうって。

麿:でもシワには(俺らの)年月があるから、そこをまたカメラで捕らえていただいたらうれしいじゃないですか。

大久保:お前、いいこと言うな(笑)。

――視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

麿:このドラマは設定がとても楽しいです。男同士のやりとりなのに、中身は女性だとか、さすが令和のドラマだと思います。

大久保:亡くなった女房が男の姿で蘇ったなんて、なかなか凄いドラマだよな。

麿:難しいと思うんですよ、あの役(山下吾郎)は。だから小澤さんがどういう風にやられるのかと後ろから見ていると、とても面白く演じられている。

大久保:人の心というのはどこに向き合うべきかという、殺伐としたこの世の中で、こういう家族の話は結構いいなと思いました。義理人情を感じたね。

麿:家族になった以上、人情というものはいつの時代も変わらないから、そこに変容していく愛の形というのを笑いながら観る楽しさがこのドラマにはあると思います。

大久保:令和の愛の形ね。麿はその家族の長だからな、お前のお茶目でかわいいところもちゃんと撮ってもらえよ!(笑)。

■ 第5話(2月29日放送)あらすじ

多恵子(本上まなみ)にうり二つの女性は、トモ(福本莉子)のクラスの臨時担任だった。

その佐々木ミク(本上まなみ)が山下家を訪れ、おっさん多恵子(塚地武雅)も動揺を隠せない。吾郎(小澤征悦)は、ミクの話を聞くうちに生前の多恵子を思い出し、涙が溢れ出す。

そんな中、ミクのある大胆な行動で二人は急接近。吾郎は誘惑に打ち勝つことができるのか?(ザテレビジョン

大久保鷹(写真左)と麿赤兒の“レジェンド”二人がそろい踏み!